『マルク・ペロンヌは、1952年パリ郊外で
ファシスト政権を逃れてきたイタリア移民の子供として生まれた。
少年時代にジャック・ブレルの曲でマルセル・アゾラの演奏にショックを受け、
アコーディオン奏者としての道を歩み始める。
フランス各地を旅しながら伝統音楽を採譜する一方で、
ジャズや即興音楽、さらには映画音楽へと活動の場を広げて来た。
旅する楽器アコーディオンと出会ってしまった人間の情熱が、このアルバムを生んだ。』
邦題はCDの帯びには「その儚い熱情」、
歌詞カードのCDタイトルは「その儚い情熱」、
歌詞カードのソング・タイトルは「その儚い熱情」となっています。
さて、このマルク・ペロンヌというヒト、簡単に言うと "アコーディオン奏者" なのですが、
我々が見慣れているのは "クロマティック・アコーディオン" というもので、
彼がプレイしているのは、その原型にあたる "ディアトニック・アコーディオン" です。
このディアトニック・アコーディオンは蛇腹を開けた時と閉じた時とは
違う音がでるもので、より熟練を要するモノのようです。
イタリア的な陽気さと、シャンソン的な儚さを併せ持つ不思議なノマド・ワールド。
唄は決して上手いとは言えないけど、朴訥とした誠実さを感じさせるもので、
マルクの唄が聴ける「忘れないで」は仏語の弾き語りヴァージョンと
伊語のバンド・ヴァージョンが収録されています。
特に伊語ヴァージョンはピアノやクラリネットの音を得て、
より哀愁を帯びた曲に仕上がっています。
とにかく素朴なサウンドです。