翌97年にはライ・クーダーの企画である「BUENA VISTA SOCIAL CLUB」で
キューバの「オールスターもの」が再度脚光を浴びることになりますが、
本作はそのきっかけとなる作品と言えるでしょう。
ブエナ・ヴィスタでお馴染みのコンパイ・セグンド、イブライム・フェレール、
ルベーン・ゴンザレスらも登場し、もちろんライ自身も1曲だけ参加しています。
キューバの若手音楽家ファン・デ・マルコス・ゴンザレスが
若手とベテランの融合を図り、伝統音楽を継承するべく結成したのが
アフロ・キューバン・オール・スターズでしたが、
プロデューサーのニック・ゴールドがその中のベテラン勢を中心にピックアップして
レコーディングしたのが本作、ということです。
サンタナの「グァヒーラ」でお馴染みの「Amor Verdadero」で幕を明けますが、
キューバン特有の厚みのあるブラス・セクション、
そしてルベーン・ゴンザレスのピアノ・ソロ、バルバリート・トレスのラウード・ソロも
素晴らしく、本アルバムのベスト・トラックとも言えるでしょう。
また、チャチャチャのような楽しげなアレンジの「Alto Songo」では
ライが控えめなスライド・プレイを聴かせますが、
ラウードやピアノ、ブラスなどの比較的硬質なトーンの中にあって
ソフトなスライドのトーンはちょっとミスマッチ風で面白いかも。
アルバムを通してルベーン・ゴンザレスのピアノが光ってるんですが、
「Clasiqueando con Ruben」はダンサブルな曲なのに、メロディ・ラインだけを聴くと、
クラシック音楽のような? だからこんなタイトルなのかな?
とにかくピアノとブラス、そしてコンガの驚愕サウンドです。
ルベーン・ゴンザレスはこの時77歳だし、コンパイ・セグンドに至ってはなんと90歳!!
恐るべし老人パワー!!