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V.A. 「日本の伝統音楽/三味線~江戸ルネサンス・情」     

『庶民の楽器の代表〈三味線〉。物語と三味線の出合いは日本人の情念の結晶を生んだ!
庶民に育まれた日本最初の楽器《三味線》。この三味線と物語が出会って生まれた〈語りもの〉。
人形浄瑠璃の「義太夫」、歌舞伎の舞踏音楽「常磐津」「清元」、宴席の「新内」「宮園」。
どれも日本人の美学や情念と結び付いた、語られる文学とも言えるものである。
抑制されたメロディ・ライン、鍛え抜かれた喉、浄瑠璃の太棹など
三味線の音色の美しさも素晴らしい。日本の歌のルーツ=節の精華を聴こう。』

 「日本の伝統音楽シリーズ 全10巻」というのがキングレコードから
リリースされてましたが、再発時にバラ売りされました。
その中の一枚です。

 三味線音楽には大きく分けて「語りもの」と「唄もの」の二つがあるそうです。
その「語りもの」を集めたのがこのアルバムです。
語りの邪魔にならないように控えめに、それでいて効果的に入ってくるのが特徴です。
ここに収録されているのは、人形浄瑠璃の「義太夫」、
豊後系浄瑠璃の歌舞伎舞踏の伴奏音楽である「清元」「常磐津」、
同じく豊後系浄瑠璃で遊郭の座敷や街頭で流された「新内」の4タイプです。

 もちろん歌詞を見ながらでないと、何がなんだかさっぱりわかりませんが、
例えば義太夫「木遣り音頭」では太棹と厚めの撥が使われ、
低く重い音に、語る太夫も一音一句歯切れ良く語りますので迫力があります。
そうかと思えば、語りではなく唄うような感じの個所もあり、
わからないながらも、そのメリハリを感じることができます。

 日本の伝統芸能といいながら、我々の世代にはまったく未知の世界で、
新鮮味を感じながら楽しむことができますよ。