『ジャンルの壁を超え、美しき世界を見事に作り出した、
クリス・カモッジの待望の心温まるコンテンポラリーサウンドデザイン集。』
このハイアー・オクターヴというレーベルは所謂 "ニュー・エイジ・ミュージック"
というのがウリのようで、このクリス・カモッジといい、クレイグ・チャキーソといい、
我々オールド・エイジには、どうもピンと来ないのがニュー・エイジなのでしょう。
クレイグ・チャキーソや、レーベルは違いますが例えばポール・ウィンターなどは
一つのコンセプト(というよりも思想的背景)に基づいてアルバムを制作していますが、
このクリス・カモッジというギタリストは、ジャズ・フュージョンでもなく、
ロックでもなく、かといってイージー・リスニングでもなし、ヒーリングとも違う...
といったファジーなところが "ニュー・エイジ" なのでしょうか。(笑)
アルバム幕開けの「Go Wes Young Man」、タイトルや奏法にも現れている通り、
ウェス・モンゴメリーに捧げたものと思われます。ただし、リズムやバックが
現代的であることから、ウェスというよりもジョージ・ベンスンあたりを連想しても
おかしくはないでしょう。
また、ビートルズの「ミッシェル」もカヴァーしていますが、
ガット・ギターで所々オクターヴ奏法も聴かせ、これまたウェスを意識した感じ。
この「ミッシェル」だけがマイナー調、他はすべてメジャー調というのも面白いです。
彼のライナーによると、父や娘を題材にしたものもいくつかあるようで、
家族にたいする優しい眼差しや思いやりが伺える曲調です。