『自己のクインテットによるCBS1stレコーディング。
50年代マイルス・ストーリーを語るに欠かせない記念碑的名作。』
アルバム・タイトルは「'ROUND ABOUT MIDNIGHT」、
しかしA-1のクレジットは "About" がとれ、「'Round Midnight」に。
後年、詞がついた時に、字余りになったので "About" を抜くことがあるようです。
このA-1「'Round Midnight」でのマイルスのミュート・プレイは
彼の幾多の演奏の中でも最も好きなプレイのひとつです。
このミュートによる静寂を破るかのように、たどたどしくテナーを吹くコルトレーン。
まだまだ発展途上にあったのがよくわかりますよね。
このあたりのアンバランスさも、魅力の一つではないでしょうか。
そして、締めくくりのB-3「Dear Old Stockholm」、
これも「'Round Midnight」と同じくらい好きな曲で、
マイルス~チェンバース~コルトレーン~マイルスのソロの回しは素晴らしく、
また、それ以上にバックで地味なピアノの伴奏をつけているガーランドが渋いです。
とにかく、本アルバムでのレッド・ガーランド(p)、ポール・チェンバース(b)、
フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)は、鉄壁のリズム隊であることに間違いはありません。