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MILES DAVIS 「AND THE MODERN JAZZ GIANTS」     1954&1956

『以後再び共演することのなかった両巨人、
マイルスとモンクの確執をヴィヴィッドにとらえて、
史上に残るエピソードを生んだ名高い "クリスマス・セッション"。』

 メンバーは、マイルスにMJQのミルト・ジャクスン、パーシー・ヒース、
ケニー・クラーク、そしてあのセロニアス・モンクによる54年のXmasセッション。
そしてB-1「'Round About Midnight」のみレッド・ガーランド、ポール・チェンバーズ、
フィリー・ジョー・ジョーンズの "鉄壁のリズム・セクション" に
ジョン・コルトレーンを加えての56年のセッションです。

 さて問題の「The Man I Love」ですが、アルバム頭に「take2」が
そしてラストに「take1」という順なのです。
ここは順番通りB-3の「take1」から聴いてみましょう。
どこかリハ的な軽い流しできれいに進んでしまってます。
ところが本番(?)のA-1「take2」では
テーマを吹くマイルスやミルトのソロもどこか緊張感がみなぎってますね。
ところが続くモンクのソロは途中でやめちゃうんだよね。
しばらくベースとドラムスだけが鳴り響き、マイルスの一吹きで
モンクが堰をきったように弾きだすんですよ。

 マイルスがモンクに「オレのソロでは弾くな!」と言ったとか言わなかったとか...。
それが「ケンカ・セッション」として語り継がれているわけですが、
不思議なことに、他の曲では何事も無かったかのようにモンクは弾いてるんですよね。
モンクはソロのイメージが湧かなくて、中断して「take3」に掛けようとした?
さて、真相はいかに?

 なぜ1曲だけ56年のコルトレーン含みの演奏が収められてるのか不思議です。
モンクの曲ということで?それなら本アルバムはモンクの非凡なる才能に
最大限のスポットを当てたアルバム、ということでしょうか。