『ノルウェーを代表する実力派シンガー、リニ・テリークレム。
愛と破滅の葛藤を描いた古い詩の世界をドラマティックに歌う。
スペルマン・ブリーセン 最優秀女性歌手賞 受賞』
日本語ではリニ・テリークレムの「ハウグトゥーサ」と紹介されてました。
受賞した「スペルマン・ブリーセン」とは、ノルウェーのグラミーのようなもの。
本作はノルウェーの詩人、アルネ・ガルボルグが100年前に書いた詩をもとに
制作されたもので、ノルウェーにはこのように文学と音楽のジョイントが盛んで、
いずれ書こうと思ってるのですが、カリ・ブレムネスがエドヴァルド・ムンクの詩を歌った
「別離」や、モートン・ハルケット(A~HA)、トミー・ニルソンらが
文学チックな作品を出しているようです。
さて、このガルボルグの「ハウグトゥーサ」という詩は、ノルウェーのヤーレン地方を
舞台に、四季の変化を通して人々の生活を描いたもので、
主人公のベスレモイという女性の波瀾の人生がその背景となっています。
「ハウグトゥーサ」はベスレモイの愛称です。
ちょうどサラ・マクラクランがトラッドぽい唄い回しをしたらこんな感じになるかな?
なんて思いながら聴きました。このリニ・テリークレムは、流石、賞を貰うだけあって、
表現力豊かに切々と唄い上げています。
ノルウェーにはこのリニや前述のカリ・ブレムネス、シセル・シルシェブーなど、
素晴らしいシンガーがたくさん埋もれているようですよ。
優しく、そしてところによっては怒りを込めたように唄う無伴奏の「Vond Dag」に
このヒトの魅力が凝縮されてるようです。ホント、表現力のあるシンガーですよ。