『ブルースばかり、それも一日中聴いていた頃に、
特に印象に残ったものを素直に集めた。
ブルースにズボッとハマリます。』
近藤房之助氏がセレクトした20曲。
と言っても、日本のP-VINEの企画なので、
P-VINEが契約するレーベルからのセレクションとなります。
ブルーズの巨人ということで、主に50年代にスポットが当てられてるようです。
ロウェル・フルスン、ジョージ・スミス、ライトニン・ホプキンス、
ウォルター・ホートン、レイ・チャールズ、ジミー・ウィザースプーン、
ジョニー・ギター・ワトスン、ハウリング・ウルフ、T-ボーン・ウォーカー、
フェントン・ロビンスン、ピー・ウィー・クレイトン、ジョン・リー・フッカー、
ボビー・ブランド、フロイド・ディクスンなどのビッグ・ネームに混じって
ゴリー・カーター、スモーキー・ホグ、ボイド・ギルモア、ジョー・ヒル・ルイスなどの
ワタシにとって初めて聴く音源も含まれています。
それにしても、これだけ大物を並べると、つくづく十人十色というか、
切り口の多さを再認識する次第であります。
リズムやコード進行などはある程度定型的なブルーズですが、
発声法やギターのトーン、ハーモニカの音色など、あるいは唄の内容など、
その表現方法といった意味ではブルーズほど間口の広い音楽はないのではないでしょうか?
ボイド・ギルモアというブルーズマン、初めて聞く名前ですが、
ロバジョンの「ランブリン・オン・マイ・マインド」をエルモア・ジェイムズ風に
仕立てていて面白いですよ。
また、デビュー直後のボビー・ブランドの「グッド・ラヴィン」もかなり青くて
微笑ましい若き日のブランドでありました。
そしてルーファス・トーマスやB.B.キングら、往年のメンフィスの
ブルーズ・シーンを知る者が決まって「凄かった!」と口にするジョー・ヒル・ルイス、
ジェイムズ・テイラーのアルバムに「ワン・マン・バンド」というタイトルがありましたが、
ヴォーカル、ギター、ハーモニカ、ドラムスを同じに演奏する、まさにワン・マン・バンドで、
70年代のブルーズ・ブームの時にでも発掘された音源でしょうか。
50年の「ハートエイク・ベイビー」が収録されています。