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DINAH WASHINGTON WITH CLIFFORD BROWN 「DINAH JAMS」     1954

 スタジオ・ライヴ的なジャム・セッションで
トランペットにクリフォード・ブラウン、メイナード・ファガスン、クラーク・テリー、
サックスにハーブ・ゲラー、ハロルド・ランド、
ピアノにリチー・パウエル、ジュニア・マンス、
ベースにジョージ・モロゥ、キーター・ベッツ、
ドラムスにマックス・ローチと、総勢10名ものミュージシャンが参加してます。

 そんな中、ダイナ・ワシントンは伸び伸びと歌っており、
なかなかリラックスしたジャムだと思います。
(これだけの面子に囲まれてダイナ自身は多分緊張したでしょう・笑)

 このヒト、ジャズ・シンガーというよりも、ブルーズ、ゴスペル風の味が出るヒトで、
そういった意味ではA-1「Lover Come Back To Me」のような
ストレートで伸びやかな勢いのある唄を聴くと、なんか心もスッキリ、晴れやか...。

 A-2のメドレーではハロルド・ランドのテナーをフィーチャーした「Alone Together」
に続き、「Summertime」ではメイナード・ファガスンのハイノートが
オーディエンスの歓声と拍手をもらっています。

 A-3「No More」では、ストレートに伸び伸びと歌い上げるダイナに対し
切々と控えめに吹くブラウニーのバランスが面白いです。

 B-1「I've Got You Under My Skin」では
クラーク~メイナード~クリフォードのトランペットの豪華な競演が聴かれ、
まるで3人が共に挑みかかってるような迫力を感じます。

 そしてB-3「You Go To My Head」は
A-1「ラヴァカン」と同様、オールスターズがバックを務め、
ハーブ・ゲラーに続くソウルフルなジュニア・マンスのピアノ、
メロディアスなクラーク・テリーのトランペット、
そして一気に華やかなムードに転じるブラウニーのソロと、
聴き所満載です。

 EMARCYのBOXには「Crazy He Calls Me」なども収録されており、
ここでのダイナの唄い方はビリー・ホリディそのもので(あえてモノマネ?)
やはりこのあたりがルーツにあるから、ジャジーな雰囲気よりも
ブルージーでポップな感じがするんでしょうね。

 ブラウニーの唄伴としては、あのヘレン・メリルやサラ・ヴォーンに埋もれがちですが、
なかなか新鮮な魅力を携えたシンガーには違いありません。