クリフォード名義ではありませんが、クリフォードが中心となったジャムで
ダイナ・ワシントンをヴォーカルに迎えています。
この日のセッションは「JAM SESSION」と「DINAH JAMS」に分けて収録されています。
この「JAM SESSION」、メンバーはブラウン&ローチのところの5人に加え、
メイナード・ファーガスン(tp)、クラーク・テリー(tp)、ハーブ・ゲラー(as)、
ジュニア・マンス(p)、キーター・ベッツ(b)といった豪華な面々。
「What Is This Thing Called Love」では滑らかなクラーク・テリー、
ファーガスンを意識したと思われるハイトーンのブラウニー、
そしてハイトーンの名手ファーガスンと、
3本のトランペットを聴き比べるのも面白いでしょう。
またラストのリーッチー・パウエルとジュニア・マンスのピアノ同志のチェイスも面白いです。
また「Move」はサディスティックなほどテンポが速く、
ラストピアノがついて行けなさそうで、それでいて何となくまとまってしまうほどの
緊張感がビンビン伝わってきます。
さてダイナ登場の「Darn That Dream」、それほどジャジーなところがなく
どちらかというと淡白なシンガーで、素直な唄い方に好感が持てます。
ただパンチのありそうな声をしてるので、バラードよりもアップテンポに向く?
ピアノ・トリオの「My Funny Valentine」に始まり、
クラーク・テリーが吹く「Don't Worry 'Bout Me」、
ハーブ・ゲラーの艶やかな「Bess, You Is My Woman Now」、
そしてブラウニーの本領発揮とも言える「It Might As Well Be Spring」
の4曲がメドレーで演奏されます。
アップテンポの曲での溌剌としたブラウニーもいいのですが、
やはり唄モノでしっとりと唄いあげるブラウニーが最高です。