彼女の作品の中では「MINGUS」(1979)と同じくらい好きなアルバムです。
青色のジャケットも衝撃的でした。
ジョニの弾き語りをベースに、S.スティルスやJ.テイラーなどが加わり、
素晴らしい「青の世界」を描写してくれてます。
弾き語りスタイルは本作までで、次作からはバンド・サウンドが主流となります。
ピアノの弾き語り「My Old Man」を初めて聴いた時の衝撃は忘れられません。
普通のフォーキーなメロディが途中から想像もつかないほどの旋律になり、
彼女の高音のヴォーカルとピアノの音色に背筋がゾクッとしたものです。
当時の恋仲にあったJ.テイラーがアコギでサポートする曲もありますが、
もう一人の恋人、ディヴィッド・ブルーを唄ったのが「Blue」であり、
やはり恋多き女性だったようです。
やっぱり代表曲は「River」でしょうね。
これをクリスマス・ソングと解釈する向きもありますが、
イントロのけっして楽しそうではないジングル・ベル...
クリスマスが近いというのに恋人を失ってしまった悲しいクリスマスなのです。
なんてったって、「I wish I had a river, I could skate away on」ですから。
彼女が育ったカナダでは川の凍ったところでスケートができたのでしょうか。
街の喧騒や恋人の思い出から逃れてスケートでどこか遠くへ行ってしまいたい...
という心境なのでしょう。
全体的にアコギの音質がシャラシャラなのがちょっと気になった頃もありましたが、
やはり「名盤」です。
さて次回の「70’s」は大瀧詠一さんの「多羅尾伴内樂團・vol.1」(1977)を予定しています。