ジェーン・バーキンというヒト、セルジュ・ゲインズブールの奥方として知られているため、
フランス人だと思ってらっしゃる方もいるかと思われますが、実は英国人なんですね。
本業は女優なんですが、女優と言えば洋の内外を問わず、唄の上手い人はなかなかいません。
このジェーン・バーキンも上手いか下手か、と二者択一を迫られれば、「ヘタ!」と
答えざるを得ないでしょう。
しかし、そのヘタさ加減を補って余りある "ウィスパー・ヴォイス" が彼女の魅力です。
1946年ロンドン生まれの彼女は映画音楽家ジョン・バリーと結婚、長女をもうけ、
フランスに移住、映画の仕事でゲインズブールと知り合い同棲。
69年に発表した「Je T'Aime...Moi Non Plus」での儚げな歌唱法が彼女のイメージを
構築してしまい、ゲインズブールはその歌唱法を活かすがために、ガンガン曲を書きます。
日本でもドラマの主題歌に「無造作紳士」が使われかなりヒットしたらしい。
(残念ながらそのドラマは観た事がありません)
しかし「Je T'Aime...」の喘ぎ声は一体なんだ?
ちょっと恥ずかしくて、ヴォリュームを絞っちゃうよ。
異国の香りのする仏語文化は好きですが、ずっとこの調子で「VOL.1」と「VOL.2」を
聴き通すのはちょっと疲れます。(笑)
とにかく "音痴な素人" と変わりないくらいの歌唱ですが、
「Yesterday Yes A Day」や「Ballade De Johnny-Jane」などは病みつきになりそうですね。
ただし恥ずかしくて大音量で聴くのをはばかれる曲も中にはありますが。(笑)
ゲインズブールの「ジェーン・バーキン改造法」が功を奏した、ということでしょうか。
さて次回の「70’s」はニック・ドレイクの「ブライター・レイター」(1970)を予定しています。