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CLIFFORD BROWN AND MAX ROACH 「CLIFFORD BROWN AND MAX ROACH」     1954-1955

 マックス・ローチが自身のバンドを補強すべく雇ったのが、ソニー・スティットと
クリフォード・ブラウンでした。スティットはすぐ辞めてしまい、最終的には
ハロルド・ランドが参加しますが、マックスはクリフォードの才能を見抜き、
双頭バンドとして展開することになります。

 アルバムは「Delilah」で幕を開けますが、この曲は映画「サムソンとデリラ」の主題歌で
トム・ジョーンズのヒット曲「デライラ」とはまったく関係がありません。(笑)

 デューク・ジョーダン作の「Jordu」はクリフォードの品のある美しさが前面に出ており、
ハロルド・ランド(ts)、リッチー・パウエル(p)、マックス・ローチ(ds)のソロも素晴らしく、
本アルバムのハイライトです...と思ってたら「Joy Spring」も捨て難いですね。
ハロルド~クリフォード~リッチーへと続くソロ、特にクリフォードの流麗なソロは
彼のベスト・パフォーマンスのひとつと言ってもいいでしょうね。

 そしてデューク・エリントンの「What Am I Here For」をかなり速いテンポで
演奏してますが、クリフォードは全然平気なんですよね、これくらいのテンポは。
それにも増してマックス・ローチのドラミングも目を見張るものがあります。

 クリフォードは、マイルスなんかと比べると、打算的なところがなく、
ストレートに感情の赴くままに吹いている、といった印象をワタシは持っています。
その上、正確無比、アドリブすら美しいメロディ・ラインのよう。
そこへ持ってきて、マックスの、これまた正確なドラミング、
もしワタシがこの現場に居合わせたら、まさに息が詰まるような雰囲気です。(笑)