『エレクトラから移籍したバターフィールドのベアズヴィル第一作、
ブルースの原点に戻ったハーモニカは絶品!』
ポール・バターフィールド名義の「ベター・デイズ」というアルバム、
と思われがちですが、実際はポール・バターフィールズ・ベター・デイズというバンドの
セルフ・タイトルの1stアルバムなのです。
自己の名前を冠したブルーズ・バンドを解散し、ジェフ・マルダーやエイモス・ギャレット、
ロニー・バロンらを迎え入れたベター・デイズ、ウッドストック周辺のミュージシャン
(マリア・マルダーやボビー・チャールズ、ハングリー・チャックのピーター・エクランドら)
をゲストに迎え、新たな出発を試みたのがこのアルバムです。
ワタシ的には「Please Send Me Someone To Love」の1曲だけでも本作の価値的には
90%を占めていると思っています。ここでのエイモスのギター・プレイは
彼の生涯のプレイの中でも5指に入るほどの素晴らしさだし、後半のジェフのシャウトも
エイモスのギターを得て、どこか誇らしげに聴こえるから不思議。
ずっとホワイト・ブルーズを追究して来たポールがジェフ&エイモスという逸材を得て、
ブルーズだけにとらわれない「アメリカン・ミュージック」を手に入れようとしてるかのようです。
印象としては、ジェフ・マルダーがイニシアティヴをとって、バンドのベクトルを
方向づけた、といった感が強いと思います。
さて、次回の「70’s」はオールマン・ブラザーズ・バンドの「アイドルワイルド・サウス」を
予定しています。