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CHICAGO 「CHICAGO TRANSIT AUTHORITY」     1969

『'69年、栄光の未来を約束された偉大なるアメリカン・バンドが誕生した。
青春の叫びとメッセージを見事なロックに昇華させた、衝撃の二枚組デビュー作!』

 邦題は「シカゴの軌跡」。2LPで¥4000は高かったなぁ。(笑)
当時「ブラス・ロック」と呼ばれた管入りのロック・サウンドで、
BS&Tほどジャジーではなく、比較的とっつきやすいジャズ・ロック・サウンドでした。
本アルバムでは、まだあの「Chicago」のロゴは出来あがっていなかったのです。

 日本では「長い夜」が大ヒットしたシカゴでしたが、ワタシは本作の
A-2「いったい現実を把握している者はいるだろうか?」や
B-1「クエスチョンズ67/68」
C-2「South California Purples」
D-2「流血の日」
などのほうが好きでした。

 「いったい現実を...」では、どこかガーシュインを思い起こさせるようなピアノや
後半のヴォーカル・パートにニュース調のしゃべりを被せるところなどが新鮮でした。
また、「クエスチョンズ...」は、彼らの初シングルで、リリースされた69年には
ほとんどヒットしなかったのが、後に2ndアルバムから「長い夜」がヒットすると、
その余波を受け、再度リリースされて「クエスチョンズ...」もヒットしたとか。
なにしろイントロのカッコ良さ! ダイナミックなブラスにテリー・キャスのギターが絡み、
ピーター・セテラのヴォーカルにつながる、そしてダニエル・セラフィンのドラムスも
よく聴くと小気味良いのです。後年の「LIVE IN JAPAN」での日本語ヴァージョンは
ちょっとショボかった?

 「South California Purples」は彼らなりのブルーズ・ロックで、
C-1「Free Form Guitar」に続き、テリーのギターが炸裂!
そしてD-1「1968年8月29日シカゴ、民主党大会」での群集のシュプレヒコール
「The whole world's watching!」に導かれるD-2「流血の日」を挟み
15分ものセッションのD-3「解放」で幕を閉じます。

 当時中学生だったワタシはこのLPの解説に紹介されてた部分的な訳詞を見て、
「シカゴって、ひょっとして革命的な左翼バンド?」とか思っちゃったりしちゃいました。(笑)

 とにかくシカゴの作品の中では、このアルバムが一番好きで、唯一手元に残したアナログ盤です。