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IKHWANI SAFAA MUSICAL CLUB / THE MUSIC OF ZANZIBAR     1988

 ザンジバルは東アフリカに位置するタンザニア連合共和国に属し、そのタンザニアの
沖合35kmに浮かぶ島です。その島の住民はアフリカ大陸から渡ってきた様々なアフリカ人、
あるいはアラブ人、インド人など多様であり、このCDに収められた音楽は「TAARAB」と呼ばれる
アラブ色の強い東アフリカのインド洋音楽です。

 ジャケットに写ってる人たちがすべて演奏に携わってるとすれば、
このIKHWANI SAFAA MUSICAL CLUB という楽団は30数名からなる集合体と言えるでしょう。
元々は20世紀初頭に宮廷楽団としてしたこの楽団は1世紀以上も続き、
セミ・プロかアマチュアの楽団と言われてます。
楽団を構成するのはヴァイオリンやベース、その他琴やギターのような弦楽器に加え
様々なパーカッション、そしてアコーディオンのような鍵盤楽器も聴こえます。

 10世紀頃にはアラブ人が交易活動をしており、東アフリカのインド洋沿岸には
いくつもの交易都市が栄えたと言われ、ザンジバルもその一つだったのでしょう。
アフリカ音楽よりも、アラブやインド、あるいはラテンぽい要素も感じられます。

 曲毎に歌手が替り、唄だけを聴くとアラブ系のサウンドなのですが、
バックの時たま揃わないストリングスや反対にカチッとしたパーカッションが
どこかアマっぽい面白さを出しています。プリミティヴな要素やエネルギッシュな
躍動感こそないものの、アマ・バンドが楽しみながら1世紀もの間、純粋に
音楽を演奏してきたことは、まったく驚きです。