イメージ 1

ALTAN 「RUNAWAY SUNDAY」     1997

『アイリッシュ・トラッドNo.1バンド 待望のニュー・アルバム。来日記念盤。
全編に漂う清廉でヒーリングな空気感は聴く者の心を優しく包み込む。』

 アルタンの7枚目にあたるアルバムで、タイトルの「ランナウェイ・サンデイ」とは、
アイルランドではイースターの40日前から食事を制限したりして質素な生活に入る前の
最後の日曜日に行なわれるお祭り騒ぎのことです。

 メンバー・チェンジを繰り返し、ヴァージンというメジャー・レーベルでの第2作、
ゲストにはチーフタンズのマット・モロイや米カントリー界の売れっ子ドブロ・プレイヤーの
ジェリー・ダグラスやアリスン・クラウスらを迎えて制作されました。
(両者共、アフター・ダビングですが)

 後妻ならぬ「後夫」のダーモット・バーンのアコーディオンを得たマレードは
唄モノとインストのダンス・チューンを織り交ぜた構成を作り上げ、
「I Wish My Love Was A Red Red Rose」でのハーモニーはアリスン・クラウス?
そして、スティール・ギターのようにも聴こえるのがジェリー・ダグラス?(クレジットはドブロ)
どうも存在感のないゲスト陣ですが、ここでのマレードはしっとり唄い上げています。

 本作に収録のインストのダンス・チューンはゆったり、まったりしたものが多いのですが、
「Flood On The Holm~Scots Mary~The Dancer's Denial」ではマット・モロイの
笛もフィーチャーされており、「疾走感」とまではいかないものの、ちょっと賑やかな
サウンドに仕上がっています。でも、このマット・モロイもよく聴くと存在感薄いのですが。

 逆に、唄モノはマレードのヴォーカルはどれも素晴らしく、全体的にはアイリッシュの要素に
ポップな感覚を盛り合わせた作品で、ファン層を拡大できたのかどうか...?