イメージ 1

CTI ALLSTARS 「RHYTHMSTICK」     1989

『名プロデューサー、クリード・テイラーが贈る新生CTI第1弾。
オールスター・メンバーをフィーチュアし、ジャズ/フュージョンに
エスニックやワールド・ミュージックをも巻き込んだ新世界。
エンジニアは、ルディ・ヴァン・ゲルダー。世界に先駆け、日本先行発売。』

 アルバム・タイトルの「RHYTHMSTICK」とは、ディジー・ガレスピーが考案したもので、
スティック状の棒にビンのふたを潰して平らにしたものを釘付けしたものです。
邦題はCTI ALLSTARS となってますが、原題にはCTI ALLSTARSという名称は
一切使われておらず、実質上はディジー・ガレスピーというよりも
ア^ト・ファーマーらが主体となったユニットです。

 サウンドはブラジリアン・テイストを散りばめたジャズで、当時のCTIお抱えの
アート・ファーマーやボブ・バーグが中核をなし、ベニー・ゴルスンも音作りの一端を
担ってます。

 どのテイクも素晴らしいのですが、特に印象的なのはファーマーとフローラ・プリム(vo)、
ホメロ・ルバンボ(g)あたりが織り成すボッサやサンバ形式のサウンドです。
「Waiting For Angela」のフローラのヴォーカルに絡むボブ・バーグのソプラノ・サックスと
ホメロのギター、また「朝日のようにさわやかに」でのファーマーの無伴奏のソロに
静かにかぶさるホメロのギター、「Colo De Rio」のフローラのヴォーカルに続く
フィル・ウッズ~アート・ファーマー~ボブ・バーグ~ホメロ・ルバンボの
軽快なリズムにのったソロの回しが見事です。

 もう一つの注目作はゴルスン作の「Palisades In Blue」、ここでのフィル・ウッズ、
ボブ・バーグ&アート・ファーマーの3管プラスロベン・フォードのギター、
ジミー・マクグリフのオルガンも現代版ジャズテットという感じで、さすがゴルスン・マジック!

 しかし、このアルバムの立役者は一体誰? ディジー? それとも全曲で吹いてるファーマー?
あるいはプロデューサー、クリード・テイラー&アレンジャー、ベニー・ゴルスン?
とにかく、ジャズ・サウンドにブラジリアンなどの要素を包含した素晴らしいサウンドです。