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TAJ MAHAL 「PHANTOM BLUES」     1996

 タジ・マハール独特の「イミテーション・ブルーズ」です。
ブルーズ・クラシックスをベースにしながらいろんな音楽のエッセンスを散りばめた、
コアなブルーズ・ファンには敬遠されがちなブルーズ・マンかも知れません。

 本作も90年代初頭の「LIKE NEVER BEFORE」「DANCING THE BLUES」あたりの
流れを汲む、モダン・ブルーズ+R&B+ニュー・オーリンズといったテイストで、
カヴァー中心のアルバムです。

 ブルーズ・マンの作品であることを頭から忘れて聴けば、唯一のオリジナル曲である
「Lovin' In My Baby's Eyes」でのスワンピーな感覚も面白く、
またブルーズ・フィーリングといった側面を再認識できる「Here In The Dark」あたりも
素晴らしいです。この「Here In The Dark」はE.クラプトンはギターを弾いており、
ちょっと70年代のシェルターあたりのF.キングっぽいマイナー・ブルーズです。
F.キングといえば、彼の「Love Her With A Feeling」というナンバーも取り上げており、
ここでもギターはE.クラプトン、フレディのブルーズはE.C.におまかせ!って感じ。

 元々、出発点が同じライ・クーダーには「音楽世界旅行」的な部分に惹かれるのに対し、
このタジにはR&Bやシャウト系、ニュー・オーリンズ、カリプソなどよりも
ブルーズ・チューンに魅力を感じてしまうワタシでした。(笑)