1曲目からミディアム・テンポのバラード「She'll Leave You With A Smile」、
まさに正統派シンガー、期待を裏切らないヒトだ! と思いつつ聴き進んでゆくと、
ロドニー・クロウェル作の「Stars On The Water」では、なんとヴォーカルに
ヴォコーダーのような処理がされており、常に王道を歩む者にこのようなスタイルが必要か?
と大きな疑問と嫌悪感のようなものを感じる一方、タイトル曲の「The Road Less Traveled」の
「安全第一でさ迷うことを恐れるものは危険なカーブのある終わることのない未知の道を
旅しようとは思わないだろうが、私は自分の道を行き、いつかそこに足跡を残す...」
という彼の心境とも思えるメッセージに納得、ヴォコーダーもガマンして聴いてます。(笑)
99年にデビューしたジェリー・キルゴアの「Don't Tell Me You're Not In Love」を
ジョージが上手くカヴァーしています。ジェリー・キルゴアのほうは未聴ですが、
彼はその後、話題にあがることもなく、どうしてるのでしょうか?
その他、カヴァーでは大昔のデル・リーヴスの「Good Time Charley's」や
マール・ハガードの「My Life's Been Grand」なども取り上げています。
「My Life's Been Grand」にかぶさるストリングスの味わいはアルバムを閉じるに
ふさわしい演出でもあり、本作全般を通して、曲の良さというか素材の集積としての
素晴らしさという点では、ジョージ・ストレイトの作品の中でも一番ではないでしょうか。
(ヴォコーダーは別として・笑)
それにしても、毎度のことですが、34分という収録時間でこれだけ充実したひとときを
過ごせるなんてシ・ア・ワ・セ...なんちゃって。