73年の「SINGING, PLAYING」に続くソロ・アルバム第2弾です。
クルセイダーズの活動を続ける中、セッション・ギタリストとして、スティーリー・ダンなどの
作品での名演を残し、クルセイダーズを脱退、このソロ・アルバムを発表、当時の
クロスオーヴァー・ブームに乗っかり、GIBSONのES335を愛用することから
「Mr.335」などと呼ばれ、超売れっ子に。
たしか邦題は「夜の彷徨」でしたよね。「彷徨」と書いて「ほうこう」と読むんですよね。
「彷」も「徨」も「さ迷う」という意味なので、夜にさ迷いまくってる、ということでしょう。(笑)
このヒトはクルセイダーズ~セッション・ワークを通じて、ジャジーなプレイよりも
ロック・サイドのドライヴィング感のあるプレイに魅力を感じますねぇ。
初期のラリカルといえば、やはりA-1の「Room 335」でしょう。
控え目ですがストリングスもフィーチャーされたメロゥな(死語?)サウンドです。
このあたりの音を聴くと、自分の中ではニュアンス的には「クロスオーヴァー」というよりも
「フュージョン」といったイメージなのですが...。(ま、どっちでもいいか)
ジェフ・ポーカロのドラムスがこれまたいいんだよね。(耳障りなところがなくて)
メロゥなラリカルもいいけど、A-4「Point It Up」でのスリリングなプレイはどうだ!
かなりロックぽいドライヴ感溢れるギターがやっぱりラリカルの大きな魅了でしょう。
なぜかジェフ・ベックとヤン・アッカーマンを連想しちゃいました。(笑)
それにしても、どうしても唄いたかったのでしょうか。前作で唄は懲りたのかと
思ってましたが...。(笑)A-2「Where Did You Come From」や
B-2 「I Apologize」でのヴォーカル、たしかにマイケル・フランクスを
ちょっとだけ明るめにしたような感じですが、とりあえずAOR狙いでしょうかねぇ。
本作のハイライトはやはりB-3「Don't Give It Up」でしょう。ポーカロの
ドラミングが大きな支えになってるはず。ポーカロなしにはこのグルーヴ感は出ないはず。
ドラムスだけを聴いていても飽きないですよ。
ラストB-4「Only Yesterday」でマイナー調のスロー・ナンバーを持ってくるところは
まったくニクイ演出ですね。当時この曲やベックの「哀しみの恋人たち」あたりは
「クロスオーヴァー・イレヴン」でよくかかってましたっけ。ちょっとベックぽいところあり。
当時の印象としては、「さすがセッション・プレイヤーだけあってどんな曲もそつなくこなす」
といった感じでしたが、今改めて聴くと、それがそのままジェフ・ポーカロにもあてはまる...
まったくこの相性はなんだ!?的なグルーヴ感に最敬礼!
さて次回の「70’s」はジェスロ・タルの「20YEARS OF JETHRO TULL」を予定しています。