『感性の世界を旅する心に奥深く染み残るは移民の魂・・・。
アコースティック・プロジェクト「ワールド・シンフォニア」を率いての
アル・ディメオラの最新作は叙情的かつ繊細。
スパニッシュ・フレーズとタンゴの情熱と美しいストリングスの響きが融合した名作!!』
ワールド・シンフォニアでの2枚目です。オリジナルが5曲、アストル・ピアソラの曲が5曲、
メンバーのアート・タンクボヤシャン(読み方不明)の曲が2曲、
それに、スタンダードの「いつか王子様が」という構成で、92年に亡くなったピアソラへの
追悼盤的な色合いも伺えます。
80年代の、速弾きでバリバリ弾き倒すディメオラに比べると、地味に聴こえるかも
知れませんが、アコースティックなアンサンブルでタンゴをはじめ、エスニックなサウンドを
紡ぎ出すワールド・シンフォニアも素晴らしいですよ。
ピアソラのナンバーでは「Nightclub 1960」、オリジナルでは「Carousel Requiem」、
トルコ人メンバーのヴォーカルをフィーチャーしたエスニックな不思議な雰囲気の
「Heru Merter/Don't Go So Far Away」、そしてバンドネオンをバックに
珍しくスタンダードをプレイする「いつか王子様が」などが特に素晴らしいです。
ディメオラは、バンドネオンという強力な助っ人を得てまた一歩前進、といったところでしょうか。