ジャケットもイカシテます。アーティスト名とタイトルをタイル状の正方形にあしらった
素敵なデザインです。またブルース・コバーンはカナダ出身ということもあり、
ブックレットには英詩と仏詩の両方がプリントされており、もちろん別紙の解説と
日本語の訳詞もついています。
このアルバムは2つの都市からのイマジネーションをベースにしたと思われます。
一つはアメリカのニュー・オーリンズ、そしてもう一つはアフリカのマリのティンバクトゥ。
このティンバクトゥといえば、ライ・クーダーとも共演した「西アフリカのジョン・リー・フッカー」
とも例えられるアリ・ファルカ・トゥーレの出身地でもあり、98年のブルースの
ドキュメンタリー映画でアリと共演しているそうです。
70年代のフォーク・ロック・サウンドから徐々にジャジーなディティールを加え、
メッセージ性も付加したブルース、本作では「Blueberry Hill」なんていう名曲も
カヴァーしています。ファッツ・ドミノ、サッチモやエルヴィスをはじめとして、
とにかくいろんなヒトにカヴァーされてるこの曲、デュエッターのマーゴ・ティミンズもいいし、
ブルース自身のギターの間奏もいいですよ。
他にもルシンダ・ウィリアムズがハーモニーで数曲参加しており、このあたりの女性コーラスの
人選もブルースはいつも適確にチョイスしてます。
また、本作の特徴として、全曲にリック・ラザールという人がパーカッションを叩いており、
コラというアフリカの弦楽器の音色と併せて、アフリカっぽい味付けに成功しています。
アコギの音の作り方も素晴らしく、コラと共にアフリカン・テイストを見事に演出しています。
インストの3曲も十分楽しめますよ。