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BRUCE COCKBURN 「BREAKFAST IN NEW ORLEANS, DINNER IN TIMBUKTU」     1999

 ジャケットもイカシテます。アーティスト名とタイトルをタイル状の正方形にあしらった
素敵なデザインです。またブルース・コバーンはカナダ出身ということもあり、
ブックレットには英詩と仏詩の両方がプリントされており、もちろん別紙の解説と
日本語の訳詞もついています。

 このアルバムは2つの都市からのイマジネーションをベースにしたと思われます。
一つはアメリカのニュー・オーリンズ、そしてもう一つはアフリカのマリのティンバクトゥ。
このティンバクトゥといえば、ライ・クーダーとも共演した「西アフリカのジョン・リー・フッカー」
とも例えられるアリ・ファルカ・トゥーレの出身地でもあり、98年のブルースの
ドキュメンタリー映画でアリと共演しているそうです。

 70年代のフォーク・ロック・サウンドから徐々にジャジーなディティールを加え、
メッセージ性も付加したブルース、本作では「Blueberry Hill」なんていう名曲も
カヴァーしています。ファッツ・ドミノ、サッチモやエルヴィスをはじめとして、
とにかくいろんなヒトにカヴァーされてるこの曲、デュエッターのマーゴ・ティミンズもいいし、
ブルース自身のギターの間奏もいいですよ。

 他にもルシンダ・ウィリアムズがハーモニーで数曲参加しており、このあたりの女性コーラスの
人選もブルースはいつも適確にチョイスしてます。

 また、本作の特徴として、全曲にリック・ラザールという人がパーカッションを叩いており、
コラというアフリカの弦楽器の音色と併せて、アフリカっぽい味付けに成功しています。

 アコギの音の作り方も素晴らしく、コラと共にアフリカン・テイストを見事に演出しています。
インストの3曲も十分楽しめますよ。