名著「ボサノヴァの歴史」の著者ルイ・カストロがセレクトした名曲集です。
単にボサノヴァの有名な曲を集めただけのアルバムではなく、ボサノヴァという音楽の
成立に不可欠な役割を果たしたかどうか、がセレクトのポイントになってます。
収録曲は
想いあふれて / ジョアン・ジルベルト
サマー・サンバ / マルコス・ヴァーリ
もし皆があなたと同じだったなら / ロベルト・バイヴァ
フォトグラフィーア / シルヴィア・テリス
マリア・モイタ / カルロス・リラ
罰 / ディック・ファルネイ&クラウデッチ・ソアレス
醜い少女 / ロベルト・メネスカル
友人トムへ / ドリス・モンテイロ
イパネマの娘 / ベリー・リベイロ
ヂサフィナード / ジョアン・ジルベルト
答え / マルコス・ヴァーリ
オバララー / ノルマ・ベンゲル
太陽の道 / シルヴィア・テリス
ジャズの影響 / カルロス・リラ
ヴォセあなた / ミルトン・バナナ・トリオ
エスタモス・アイー / レニー・アンドラーヂ
ひきがえる / ジョアン・ドナット
ある夜 / シルヴィア・テリス
プリマヴェーラ / カルロス・リラ
愛する人の夜 / ルーシオ・アルヴェス
ジェミニ5メドレー / ベリー・リベイロ、レニー・アンドラーヂ&ボッサ・トレス
あなたと私~プレシーゾ・アプレンデール・ア・セール・ソー~コンソラサォン~
平和な愛~フェリシダーヂ~灰の水曜日のマルシャ~日は昇る
コルコヴァード / ジョアン・ジルベルト
ボサノヴァといえば「イパネマの娘」、この曲を世界で最初にレコーディングしたのが
ペリー・リベイロというシンガー...。
ジョアン・ジウベウトの「ヂサフィナード」、当時まともに唄えない歌手たちを
からかう意図でジョビンとメンドンサがわざと音程のとりにくい複雑なメロディを
書き上げた...。
マルコス・ヴァーリの「答え」は当時、左翼に傾倒し、よく知りもしないで、
旱魃と貧困にあえぐ北東部地方に同情する歌や農地改革賛歌を歌っていた他のボサノヴァ連中を
皮肉った歌...。
カルロス・リラの「ジャズの影響」という歌は、ボサノヴァのジャズ化に警鐘を鳴らす歌...。
ジョアンの「コルコヴァード」、歌詞に出てくる「窓からコルコヴァードが見える家」など
あるものか!と散々野次られた...。
などなど、平和な国に生まれ育った我々にはなかなか理解しづらい背景をもつボサノヴァ、
その誕生秘話には、我々の知らない裏話がもっともっとありそうで...。
ちなみに和文ライナーは「ボサノヴァの歴史」の訳者でいらっしゃる国安真奈さんです。
ライナーを読むだけでも面白く、ついつい「ボサノヴァの歴史」を読みたくなっちゃいます。