『ジャッキー、貴方を待っていた!
ハスキーな歌声、ルージーな雰囲気、時折みせる粋な表情。
1953年ダウンビート誌批評家人気投票で1位に選ばれるという輝かしい経歴を持ちながら、
ジャズ界の第一線に踊り出ることのなかったジャッキー・パリスのニュー・レコーディング。
見事な歌唱、完璧な選曲。
全ジャズ・ファンが待ちに待った、"幻のシンガー"、ジャッキー・パリスの登場です。』
邦題は「あなたと夜と音楽と」でした。ジャッキー・パリスは1926年生まれですから、
世代的にはトニー・ベネットあたりと同世代?
このアルバムは日本側の制作で、実際、1989年に国内でリリースされるまで、
ワタシはジャッキーの存在すら知りませんでした。
本作では1930年代から50年代のスタンダードが唄われており、邦題の「あなたと夜と音楽と」
はアップテンポで唄われており、原題の「Lucky To Be Me」は恋人を得た喜びを
かみしめるように唄う、味わい深い曲です。
とりたてて、特徴のある唄い方をしてるわけでもなく、また特別上手いわけでもないのですが、
ブルージーな「When The Sun Comes Out」や、ゴルスンの「I Remember Clifford」での
ジム・マクニーリーのピアノとのコンビネーション、そして、そのブラウニー作の「Daahoud」
で展開されるスキャットなど、実に味わい深い内容で、こんなジャッキーを再発掘した
児山紀芳氏に拍手!です。