ロンドン録音で、ロイヤル・フィル・ハーモニーと制作したアルバムです。
何が凄いかって、ジャニス・イアンが3曲、スティーヴィー・ワンダーが1曲、そして
ミシェル・ルグランが1曲、このアルバムのために書き下ろしているんです。
B-1のS・ワンダー作の「I'll Get What Is Mine」なんかは、ホントにS・ワンダー
の曲?と思うほど、さらっとジャジーに唄われており、また、ジャニス・イアンの3曲も
曲としてはかなり秀逸! ジャニス本人がなぜレコーディングしなかったのか?と思うほどです。
ルグラン作の「You're Gone」は、ラテン・アレンジで、パーカッションやブラス、
ガットギターのサウンドが躍動感を与える曲で、ちょっと歌謡曲ぽい覚えやすい唄です。
曲自体はポップな作風のものが多いのですが、ストリングスを配したアレンジで唄う彼女の
歌唱にジャズを強く感じます。
ひとつ気になるのはS・ワンダーやJ・イアン、M・ルグランなどの楽曲が、ライターの
音楽性を意識させない、というか「S・ワンダーらしくない」とか「J・イアンらしくない」
と感じるのは、それだけ三木敏吾とドン・セベスキー、そしてノーマン・シュワルツの
アレンジの成果でしょうか。
さて、次回の「70's」はポコの「シマロンの薔薇」を予定しています。