70年代にエイプリル・フール~ソロ~フォージョー・ハーフ~ソロ...と活躍した
小坂忠さん、80年代以降はゴスペル・ミュージックを手掛け、自ら牧師として布教活動をし、
21世紀に入って、旧友細野氏、浜口茂外也、佐藤博、林立夫らの協力を得て、
本作「PEOPLE」を制作しました。
名曲「ほうろう」のリメイク、聖職者が歌ってるかと思うと、なぜか姿勢を正して聴いちゃいそう。
鈴木茂さんのアコギ・ソロもいいですねぇ。
70年代はティンパンばかりがとりざたされ、小坂さんは過少評価されたきらいがありましたが、
この21世紀「PEOPLE」では、バックを務めるティンパンと同等、あるいはそれ以上のインパクトを
感じさせます。
本作のプロデュースを担当した細野さん、「Lost People」では、アコギ、ベース、打ちこみ、
エレクトリックシタールなどをマルチプレイしており、ここまで黒っぽさを演出する細野さんは
ワタシは初めて体験します。小坂さん自身も自らレーベルを興し、聖職者としてゴスペルを
通して「愛」を説法します。
それにしても「夢を聞かせて」、これ、そのまんま英詩にしてJTが歌ってもおかしくないほど
「JT的」!
カーティス・メイフィールドの「People Get Ready」、英詩と訳詞を交互に歌いますが、
「People Get Ready 用意はいいか
荷物なしで 乗るだけでいい
行き先信じ キップはいらない
そして言うのさ Thank The Lord」
これ、説得力ありますよ、さすが聖職者、教会でも歌ってるのでしょうか。
アカペラで唄われたテーマ曲「I Love People」も含め、心に響く作品です。