デビュー前の音源を含むレア音源集です。
70年4月12日の『ロック叛乱祭』(文京公会堂)での音源では
「ヴァレンタイン・ブルー」と司会者に紹介され「12月の雨の日」をプレイしますが、
次の「春よ来い」の前に「ヴァレンタイン・ブルーと紹介されましたが、
今度"はっぴいえんど"と名前を替えたんです。」と、大瀧さんがMCしています。
この時期はすでに1stアルバム「ゆでめん」のレコーディングが進行しており、
さほどアレンジもなく忠実にステージで再現しています。
演奏は、どことなくアマチュアぽいところもありますが...。
続く同年の8月9日『第2回全日本フォーク・ジャンボリー』は「ゆでめん」発売直後
ということもあって、演奏面ではかなり充実してきた印象があり、
「12月の雨の日」では大瀧さんがメロディをかなりくずして唄うなど、
だいぶ自信と余裕が出てきたのか、プロらしく聴こえます。
ただ、まだ演奏しながらコーラスつける余裕がないらしく、すべて大瀧さんの
独唱スタイルです。
「あやかしのどうぶつえん」や「いらいら」での細野さんのベースはなかなかハードで
聴き応えがあります。
翌71年8月7日『第3回全日本フォーク・ジャンボリー』ではレコード・デビューから
さすがに1年が経過しているため、演奏も歌唱も安定したものとなっています。
本CDに収録されている3つのイヴェントで共通して演奏されているのは
「12月の雨の日」と「春よ来い」の2曲で、それぞれ3パターンを聴き比べると
彼らの上達ぶりというか、ステージ慣れがわかります。
演奏レベルや録音状態を云々する前に、これらの未発表音源が発掘されCD化されたことの
意義はかなり大きいと思われます。それが日本語ロックの道を拓いたはっぴいえんどですから
なおさら感激もひとしおですね。