『「プロセッション」でスタートした新生ウェザー・リポートが
到達した前人未到の音世界!!
結成以来、最強のリズム・セクションを擁し、
ウェイン・ショーターのサックスもより力強く響く!!』
新生WRとして、前作でヴォーカル導入という新しい試みにチャレンジしました。
本作でもいきなり1曲目に「Can It Be Done」という唄モノをもってきてます。
ヴォーカルはカール・アンダースン、これがかなり意味深な歌詞なのです。
今まで一度もプレイされなかったメロディがある
どんなサウンドなのか見つけ出さなければならない
その新しい歌は一度も聴いたことがない、ずっと探し続けて来た歌だ
今までいろんな音楽を聴いてきたが、どれも同じようなモノばかりだった
私は誰によってもどこでも演奏されたことのないサウンドを見つけ出さなくてはならない
といったような、ザビヌルの決意のようなものが唄われています。
WRを語るとき、ジャコの存在を中心にして、ジャコ前、ジャコ、ジャコ後という風に
区切られますが、ジャコ後というのもけっこう好きです。
ジャコ後としてヴィクター・ベイリーがベースを弾いてますが、ジャコほどの派手さはないものの、
技術的にはしっかりしたベーシストだと思います。タイトル・トラックでのソロは素晴らしいですね。
またオマー・ハキムのドラムスと併せてリズムに変化がでたような気もします。
「D♭ WALTZ」は3拍子の曲で、スキャット・コーラスが入るのもどこか新鮮です。
ザビヌルが探求している "新しい歌" は、まだほんの少ししか具現化されてませんが、
所々に現れるファンタジックな音が、なにか絵本でも見ているような気にさせられます。