『名曲「バードランド」が永遠の輝きを放つ、
フュージョン・ムーブメントの象徴ともいうべき名盤。
WRはJAZZとPOPの壁を完全に取り払ってしまった。』
自分の体験において、「ジャズとロックの壁を取り払ってしまった」のは
73年のマハヴィシュヌ・オーケストラの「火の鳥」であり、
あるいはその前の「内に秘めた炎」でした。
それらのインパクトと比較しますと、WRの本作はギターレスということもあり、
ロック少年(というか、もう成人してた)のワタシには
それほど魅力のあるサウンドでもなかったのは事実です。
しかし、大ヒット曲「Birdland」に代表されるように、
このバンドの魅力はジャズとロックの融合というよりも、ジャズにポップ感覚を取り入れた、
といったほうが適切ではないか、と思ったりするのです。
やっぱりギターレスというのが、ロック・サイドからみると、何かモノ足りないのです。
特にジャコが加入した「BLACK MARKET」以降、世評とは反比例して、
ワタシの中ではモノ足りなさがなぜか増幅するのです。
たしかに「Birdland」におけるエレキ・ベースでのハーモニクス・プレイは画期的ではありました。
そのジャコにスポットをあてると、「Birdland」と双璧をなすのが「Teen Town」でしょう。
元々ドラマーを志していたジャコ、ここではドラムスを叩いてますが、
「なんでこんなに上手いの?」というのが正直な印象でしょう。
ベース・プレイもパワフルなのですが、
当時のジャズ・ロック~クロスオーヴァーを体験するロック少年にはやはりギターレスというのは
致命的なマイナス要因でしたね。
今、改めて聴くと、バドレーナのプリミティヴなヴォーカルとパーカッションがフィーチャー
されたライヴ・ヴァージョンの「Rumba Mama」がエネルギッシュで熱い!ですね。
ジャコが加入することによって、これほどバンド・カラーが大きく変わってしまうのですから、
やっぱりジャコって偉大なヒトなのかなぁ...。