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V.A. 「HAWAIIAN SLACK KEY GUITAR」     1996

 スラック・キーの存在が一般的に大きく注目されたのは
70年代のライ・クーダー絡みのアルバムに参加したギャビー・パヒヌイが
きっかけだったのではないでしょうか。

 ハワイアンのスティール・ギターがカントリー&ウェスタンやロック&ポップス、
果ては日本のムード歌謡にさえも使われ、その存在はもはや大きなものとなりましたが、
このスラック・キー・ギター、元々はハワイに出稼ぎに来てたスペイン人やメキシコ人が
置いて行ったものをハワイの人が見様見真似で弾いてたのですが、しまいに
調弦のしかたがわからなくなり、適当に弦を緩めて独自にチューニングをしたのが
始まりと言われています。

 代々伝えられた調弦法と奏法により、微妙なニュアンスの違いを生じさせる
スラック・キー、一般的に「キー・パースン」と呼ばれるのは
ギャビー・パヒヌイ、レオナード・クワン、
エドウィン・ブラッドフィールド(サニー・チリングワース)などが挙げられますが、
ギャビーは既に故人なので、本アルバムには収録されていません。
替わりに息子のシリルの演奏が収録されています。

 普通に使われるオープン・チューニングは開放弦が生み出す響きや共鳴が
面白いのですが、というか、ロックやその他のフィールドでは、わざと開放弦を
鳴らすのが当たり前なのですが、ハワイのスラック・キーはオープン・チューニング
だけど、親指でベース・ランニング、他の指でメロディやアドリブを弾くスタイルで、
あまり開放弦を使用しない(フルに押弦している)ように思えます。
ですからミステリアスな響きがなく、やさしい響きに聴こえますね。

 ギャビー・パヒヌイのパートナーだったレオナード・"アッタ"・アイザックから
習ったチューニングで弾くギャビーの息子、シリルの12弦スラックの
「Panini Pua Kea」はまさに魔術的ですぞ!