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はっぴいえんど 「風街ろまん」     1971

 この2ndアルバム、日本語とメロディ、リズムの関係が
1stよりもかなりまろやかになったような気がします。
松本さん独特の「です・ます」調の詞のせいでしょうか。
あるいは季語的なことばが季節感を醸し出すために柔らかく感じるのでしょうか。

 「風街」といえば細野さんの「風をあつめて」や「夏なんです」のイメージですが、
本作での大瀧テイストにも凄いモノがありますね。
カントリー風味の「空いろのくれよん」、カントリーといえば大瀧師匠よりも
細野さんの得意とするところなのですが、ここでの師匠のヨーデルを駆使した
カントリー・フレイヴァーはどうしてもバッファローの背景とオーヴァーラップ
してしまいます。

 また、ほとんどの詞を松本さんが書いていますが、師匠が書いた「颱風」、
松本さんとはまた違った」「男っぽい」詞で、ファンキーなロックンロールの
リズムにマッチしています。

 さて、この2ndアルバムにしてほぼ完成形ができあがってしまったはっぴいえんど、
このあたりからライヴもかなり多くなり、ライヴとなると大瀧師匠に一番負担が
かかってたんじゃないかでしょうか。
インタビューで師匠は「ライヴが憂鬱になり倦怠を感じてた...」と
述べておられましたが、実際には「終わり」を予感してたのでしょう。
このあたりもバッファローの「アゲイン」と似たような位置付けの作品です。

 とにかくこのアルバム、近代の都会ではなく、レトロチックな都会の
風景や季節を感じさせる名盤です。