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THELONIOUS MONK SEPTET 「MONK'S MUSIC」      1957

 『"偉大なる失敗作" の異名と多くのエピソードで知られる、
モンク~コルトレーンの顔合わせになる、これぞ歴史的名盤の名にふさわしい名盤。』

 本作の2ヶ月前に録音されたソロ・アルバム「THELONIOUS HIMSELF」で
1曲のみコルトレーンが参加していましたが、本作では4管の一人として
参加しています。

 このLPを初めて聴いた時、A-1の「Abide With Me」で度肝を抜かれました。
これは4管だけで演奏された讃美歌で、わずか50秒のこの曲に象徴されるように、
本作はアンサンブルをかなり訴求した作品となっています。

 A-2は、かの有名な勘違いセッション「Well You Needn't」、モンクが
ミスカウントで「コルトレーン、コルトレーン!」と叫んでしまったものだから、
アート・ブレイキーのロールが遅れてしまい、ウィルバー・ウェアのベースも
しどろもどろ...これをボツにせずにそのまま収録したため「偉大なる失敗作」
と呼ばれたのでしょう。

 同様にB-2「Epistrophy」ではコールマン・ホーキンスも思いっきり
勘違いをしております。

 本作では大先輩コールマン・ホーキンスが参加しているため、コルトレーンも
バリバリ吹きまくるといった状況にはありませんが、レイ・コープランド、
ジジ・グライス、コールマン・ホーキンス、ジョン・コルトレーンの4管は
実に見事なアンサンブルを展開し、特にB-3「Crepescule With Nellie」
でのピアノを含むハーモニーは絶妙です。