『放浪の詩人、里国隆が唄う哀傷、悲哀の奄美の島うた・・・
たて琴が、三絃がブルースを奏でる・・・歴史的貴重盤、30余年ぶりにCD化復刻!』
奄美のシンガーといえば、最近では朝崎郁恵さん、元ちとせちゃん、
中孝介君などに聴かれるような、裏声を多用した島唄を想像しちゃいますが、
いやぁ、ホント、この里国隆さんという人は、それらの郷土芸能や伝統芸能とはまったく違った唄い方で、
まさに魂のブルーズを聴かされてしまったような気がします。
放浪の旅を続け、路上で缶を置いて、竪琴をかき鳴らしながらダミ声で唄う...といった光景が思い浮かびます。
まさに "昭和のストリート・ミュージシャン" ですね。
大正8年奄美大島に生まれ、生後間もなく失明、昭和6年に樟脳(ナフタリン)売りの老人と出遭い
一緒に樟脳を売り歩きながら竪琴を習います。
その後奄美や沖縄などを放浪。昭和38年、奄美に戻って所帯をもちます。
沖縄で照屋林助さんに見出され、「照屋コレクション」に参加。
昭和50年、その「照屋コレクション」を聴いた竹中労氏の計らいで上京、
この「奄美の哭きうた」を録音、この年に東京、京都、大阪などでライヴ活動を行い、
その後、昭和60年頃までは奄美や沖縄で録音を続け、後年「黒声」「あがれゆぬはる加那」
「路傍の芸」にまとめられますが、昭和60年に永眠されます。
ハンディキャップを背負う反面、自由奔放に放浪を続け、路上で吠えるように唄う放浪芸人、里国隆
まだ歌詞の内容を理解するには至っておりませんが、この竪琴と叫びだけでも聴く人を惹きつける大きな何かがあります。