ベースやスネアなどを極力廃し、ジョアンの唄とギターを全面に出したアルバムで、
彼の真髄を捉えるにはもってこいの造りだと思います。
息子マルセロに捧げた「Joao Marcelo」はギター・ソロで、
ジョアンのギターによる単純明快なベース・ラインが味わえる作品です。
発表された時は「クレジットされていないがベーシストが居る」とさえ勘違いされた曲です。
さて、タイトル曲の「カリオカ」とは「リオ生まれ」のことで、
「リオ」は現地では「ヒオ」といい、さしずめ「ヒオっ子」ということでしょうか。
彼女はカリオカ
歩く姿でわかる
あんな優しい娘は他にはいないよ...
男性が唄う歌ですが、女性にも唄われています。
メキシコ録音ということでラテン・スタンダードの「ベサメ・ムーチョ」もかなり静かに「キスしておくれ」と唄ってます。
一見、ミスマッチ風ですが、聴き込むにつれ味が出てきます。
この時代はメキシコで不遇の時代を送ったとか。
『ボサノヴァのオリジネイター、ジョアン・ジルベルトがメキシコ滞在中に残した心なごむ美しいアルバム。』