『波乱の生涯を生きた天才トランペッター、チェット後期のベスト・ライヴ。』
81年、ラジオ・フランスでのレコーディングで、
ピアノにルネ・ユルトルジュ(「死刑台のエレヴェーター」でマイルスと共演)、
アルド・ロマーノがベース、ドラムスはピエール・ミシュロ(パリ時代のバド・パウエルのサイド・メン)らが
バックを務めています。
さて、「But Not For Me」「My Funny Valentine」
「Just Friends」などで唄ってるチェット、若い頃とはまた違った魅力を感じます。
それはベテランの域に達した「円熟味」とかいったものではなく、
逆に「不安定でスリリング」なところが魅力でしょう。
この80年代入り口での記録は痛々しさもそれほど感じさせず、かなり充実した演奏内容となっているようです。
「Down」では珍しくかなり速いパッセージを吹きまくってます。
ここからの晩年期は、更にスリリングで痛々しいものになってゆくのでした...。