『幻のセッションが遂に陽の目を見た。１９７７年のチェット・ベイカーの姿がここにある。』
ベイカー(tp,vo）、ポール・デズモンド(as)、トニー・ウィリアムズ（ds)、ロン・カーター(b)、
ケニー・バロン(p)で吹き込まれた５曲に、「El Morro」を追加し、
チェットの死後、発表された作品です。
「El Morro」はジョン・スコフィールド(g)、リッチー・バイラーク(el-p)、
ヒューバート・ロウズ(fl)、マイケル・ブレッカー（ts)らがサポートしています。
基本的には７０年代中盤のＣＴＩ系の音を引きずった作品で、
エレピが起用されているところなどちょっと抵抗を感じたものでした。
「Oh, You Crazy Moon」「How Deep Is The Ocean」「If You Could See Me Now」では久々にヴォーカルが聴け、またポール・デズモンドの最後の録音でもあるようです。
そしてフュージョン色満開の「El Morro」、トニーのドラムスとラルフ・マクドナルドの
パーカッションが産み出すドライヴ感は凄まじく、
ブレッカーやジョンスコのソロも活き活きしています。（ドン・セベスキーのアレンジもなかなかです。）