コラシアムのライヴ盤で2枚組LPです。
輸入盤で、1枚目のA面の裏がD面、2枚目がB面、その裏がC面となってます。
これは当時のオート・チェンジャー仕様で、2枚重ねてチェンジャーにセットすると、
1枚目のA面が終わると2枚目が落ちてきてB面が再生され、
終了すると2枚をそのままの状態でひっくり返してセットし、C面、D面と再生されます。
60年代~70年代初めの我が家には家具調の「ステレオ」なるものがありまして、
一丁前にチェンジャーでした。(東芝のオスロというやつ)
でもレコード盤が1枚ずつ「バサッ」と落ちる様を見て、レコード盤が可哀想で、
ほとんどマニュアルで1枚ずつセットして聴いてました。
それにシングル盤をチェンジャーで使用する時は、1枚1枚、薄型のアダプタを
ドーナツの穴にはめなくてはならないので、かなり面倒でした。
さて、このコラシアム、ジョン・メイオールのところにいたジョン・ハイズマンと
ディック・ヘクストール・スミスが中心になって作ったブリティッシュ・ジャズをベースにした
バンドなのですが、この「ライヴ」に至ってはかなりブルーズ色も加味し、
ハードかつエキサイティングな構成となってます。大迫力のクリス・ファーロウのヴォーカル、
スタジオ盤では味わえない「暴れまくる」デイヴ・クレムスンのブルーズ・ギター、
まさに70年代のベスト・ライヴ・アルバムの筆頭に挙げたいくらいの作品です。
元々ジャズ畑なのはリーダーのハイズマンとヘクトール・スミスの二人で、
あとのメンバーはロック畑です。このあたりのハイズマンのマネージメント能力は
素晴らしいものがあります。この後テンペスト結成に向けクレムスンを引っ張ろうとしましたが、
ハンブル・パイ加入が決まっていたため、アラン・ホールズワースに落ち着きました。
クレムスン続投なら、テンペストはブルーズ・ロック・バンドになってたかも?
ブルーズ・ロックというコラシアムの新しい切り口を拓くには、ファーロウとクレムスンは
不可欠だったでしょう。C-2「Stormy Monday Blues」でのクレムスンのブルーズ・ギターは
決して上手くはないのですが、ここまでネットリと弾くのは後にも先にもこれだけでしょう。
そしてD面の「Lost Angeles」はメンバーの個性が凝縮された16分にわたるナンバーです。
しかし叩き続けるハイズマンのドラムス、凄いですねぇ。