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 「ROSIE」      1972

 『元フォザリンゲイのジェリー・ドナヒューとトレヴァー・ルーカスを加えた
再編メンバーで発表された八作目。
ディヴ・スウォーブリックとルーカスの個性が発揮され、
ルーカス夫人で元メンバーのサンディ・デニーら、豪華ゲストの参加も見逃せないポップな作品。
表題曲のライヴなど五曲をボーナス・トラックとして収録。』

 リチャード・トンプスンが抜けた後もメンバーを補充せずにデイヴ・スウォーブリックを中心に
4人組として活動して来ましたが、サイモン・ニコルスとデイヴ・マタックスも抜けてしまい、
スウォーブとデイヴ・ペグの二人になってしまったフェアポート。
とりあえず、いろんな人を招いてセッション風にレコーディングをスタートさせ、
ジェリー・ドナヒューとトレヴァー・ルーカスを途中で正式メンバーにしてしまうなど、
ドタバタの中で産まれた作品です。

 ジェリーとトレヴァーの参加がバンド・サウンドをアメリカンなものにしてしまい、
フェアポートの香りがまったくと言っていいほど失くなってしまいました。
「カントリー・ロック??」と思えてしまうような曲もあり、
メンバーが定まらないうちに作ってしまった作品とは言え、正直ガッカリでした。

 リチャード・トンプスン、サンディ・デニー、リンダ・ピータース(後のリンダ・トンプスン)が
参加したのはタイトル曲「Rosie」のみですが、
リチャードのギターがエイモス・ギャレットみたいで面白いフレーズを弾いてます。
ボートラの「Rosie」ライヴ・ヴァージョンはジェリー・ドナヒューがストリング・ベンダーを使い、
スティール・ギターのようなプレイをしています。
どちらもフェアポートらしからぬ音ですが、カントリーぽいアプローチが以後のフェアポートを
暗示しています。