『ジプシー・スウィング、ドーグ・ミュージックの流れを汲む
「アコースティック・スウィング」傑作の全貌がついに明らかとなる。
ブルーグラス系の凄腕たちによるアコ・スウィング・コラボレ・アルバム。
トニーのおしゃれなアコギ、サムのスウィンギーなマンドリン、
ジャズ・ヴァイオリンの先人たちを超えたリチャードの悶絶演奏などが聴きどころだ!』
結局「ジャズ&クロスオーヴァー」の書庫に入れちゃいました。
トニー・ライスはもともとブルーグラスのギタリストですが、
デヴィッド・グリスマンとつるんでるうちにスウィング系にも取り組み、
本作はジャズ専門誌の「ダウンビート誌」で5つ星を与えられたそうです。
トニー・ライス(ギター)、リチャード・グリーン(ヴァイオリン)、
サム・ブッシュ(マンドリン)の3人を中心としたバンドで、
それぞれブルーグラス界で名を馳せたミュージシャンたちです。
彼らがブルーグラスにジャズ的要素を加えたサウンド(ドゥグ・ミュージックというらしい)を
作り上げたのが本作「MAR WEST」です。
懐古趣味的なアコースティック・スウィングではなく、ハイ・テンションで、
どこか殺伐とした感じの「真剣勝負」的な音です。
唯一カヴァーはマイルスの「Nardis」で、この緊張感もなぜか心地よく感じるサウンドです。
そして「Waltz For Indira」では優しいメロディとヴァイオリンの音色が「癒し」です。
なぜかブルーグラスを感じさせる要素が希薄な作品でした。
1980年ですが、2002年に初CD化され、現在は廃盤っぽいです。