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 「UNHALFBRICKING」     1969

 『リチャード・トンプソンを生んだ伝説のグループ、フェアポート・コンヴェンションの
3rdアルバム。』

 タイトルの「UNHALFBRICKING」は「半分はレンガではない」という意味なのでしょうか?
確かにジャケ写真に写っているのは下半分がレンガで上半分が鉄格子なのですが。

 本作のレコーディング中にイアン・マシューズが脱退し(一曲のみヴォーカルを担当している)、
また新たにディヴ・スウォーブリックがフィドルで加わったことにより、
前作までのアメリカン・フォーク・ロック指向からいよいよエレクトリック・トラッド路線へと
ベクトルを変更しつつあります。選曲もサンディ・デニー2曲、リチャード・トンプスン2曲、
トラッド1曲、カヴァーはディラン3曲です。

 全体的にリチャードのギターやアコーディオン、マンドリンなどがフィーチャーされ、
今までサンディとイアンの双頭バンドのように聞こえたのですが、
本作ではリチャードが実質的な音楽監督としてバンドを導いているのがわかります。
「Autopsy」でのギター・ソロなんか、音数が少ないですが非常にメロディアスなフレーズで
感動モノです。
またリチャード作の「Cajun Woman」ではスライド・ギターとフィドル、アコーディオンなどの
サウンドがまさにケイジャン風で楽しげなのですが、
なぜかサンディのヴォーカルが暗いのが気になります。

 そしてサンディの名曲「Who Knows Where The Time Goes」(時の流れを誰が知る)、
詩といい、メロディといい、シンプルなバッキングといい、これぞサンディ・デニー!
(前作までの流れに後戻りした感もありますが)

 しかし、リチャード、なかなかリード・ヴォーカルとらないですなぁ。