『ヴォーカリストにサンディ・デニーを迎え、英国のトラディッショナル・ミュージックと
ロックの融合を図ったセカンド・アルバム。
そのオリジナリティ溢れるサウンドは、60年代末期に起こるフォーク・ブームの火付け役となった。』
もともとプロデューサーのジョー・ボイドにより、「英国のジェファースン・エアプレィ」を
目指して制作された彼らのファースト・アルバムはその意図の通り、
アメリカナイズされたフォーク・ロックでイアン・マシューズとジュディ・ダイブルをヴォーカルに
据えたバンドでした。そして本作はジュディが脱退しサンディ・デニー加わった
セカンド・アルバムです。
前作の米国的なサウンドにトラッドの香りが加わった作風で、これはひとえに、
バンド内でのイアン・マシューズとリチャード・トンプスンの力関係が逆転しつつあったことを
物語ってるかも知れません。実際、本作を最後にイアンは脱退します。
(厳密に言うと次作のレコーディング中に脱退)
サンディはオリジナル「Fotheringay」を持ちこみ、その存在感を示し、
アルバムではイアンとのツイン・ヴォーカルで、後の作品と比べるとまだ「爽やかなフェアポート」
という印象です。
本作での聴きモノは、先に挙げた後のサンディのバンド名になる「Fotheringay」、
トラッドをアレンジした「Nottamun Town」(リチャードの東洋的なギター・ソロ)
「She Moves Through The Fair」そしてリチャードの作品「Meet On The Ledge」でしょう。特に「Meet On The Ledge」は後世に残る名曲で、フェアポートのテーマ・ソング的な唄で、
コンサートでは必ず演奏されます。本ヴァージョンはイアンとサンディのヴォーカルですが、
リチャードの癖のあるヴォーカルを聴きたかったですね。
「Throwaway Street Puzzle」ではバリバリ、ソロをとってるし、
「You're Gonna Need My Help」でのスライド・プレイも素晴らしい!
リチャードは「恐るべき19歳」です。