『イギリスの生んだ最大のギタリスト、ジョン・マクロゥリンのCBS移籍第一弾!
この強烈なロック・リズムとインプロビゼィション、これでも、キミはジャズとロックの壁を感じるか?』
当時、名作「火の鳥」のあとに聴いてしまったので、
前作にあたる本作を聴いた時はちょっとインパクトが弱かったように記憶してます。
とはいえ、あの名作「火の鳥」と同じメンバーだから悪いはずがありません。
ジャズとロックを融合させ、さらにインド思想を取り入れ、
動と静を上手く使い分けるテクニックに深い感銘を受けたものです。
ジョンとフロント・ラインを形成するのはジェリー・グッドマンのヴァイオリンで、
もともとフロックというロック・バンドに所属していた彼は、ロックもジャジーなフレーズも、
あるいはジプシー風なメロディも自由自在に弾きこなす、まったく新しいタイプのヴァイオリニストでした。
このフロント・ラインに力強いリズムを刻むのがドラムスのビリー・コブハム。
ただビリーは次作「火の鳥」で更に大きくクローズアップされています。
A-2「Dawn」では、夜明けを表現するギターとヴァイオリンのからみ、
A-4「Lotus On Irish Streams」でのアコギをバックに奏でるヴァイオリンのメロディなど
「静」の部分が昔から好きで、ヤン・ハマーのピアノも美しいフレーズを奏でています。
B-4「Awaking」では、速射砲のようなビリーのドラムスが刻むすさまじいイントロに続く
、各パートのインプロヴィゼィション、
各人が早いパッセージの変拍子を正確に弾きこなすテクニックなど、
「火の鳥」を予感させるなにかがあります。