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 「TO THE HEART」     1976

 『このアルバムは、マーク=アーモンドの復活をこころから望んでくれた、
世界中の友人たちに捧げるものです。皆さん、本当にありがとう。
今、マーク=アーモンドは、あなたがたのこころに訴えかけます。・・・・
ジョン・マーク、ジョニー・アーモンド、カーメルにて 1976年5月』

 前作「'73」以降、解散状態だったM-Aが再結成しリリースしたアルバムで、
オリジナル・メンバーのトミー・アイアと、あとはビリー・コブハムや
ジム・ゴードン等を迎えた傑作です。

 A-1のビリー・ジョエルの「New York State Of Mind」は
「Return To The City」とメドレーで唄われ、イントロのエレピといい、
サックスを持ち替えてのジョニーのソロといい、もう絶品です。
続く「Here Come The Rain Part 機廚魯咼蝓次Ε灰屮魯爐離僖錺侫襦Ε疋薀珎變?
「そこまでやる?」と思いますがジョンのヴォーカルとのメリハリがあっていいですかね。
「同 Part 供廚畔擦擦撞承転結のはっきりした構成です。
A-4「Trade Wind」は初期のM-Aに近く、アコースティックなフォーク・タッチのナンバーで、
ジョンのガット・ギターの音色が優しく響きます。(この人はガットを好んで弾く)
途中でサンバ風のリズムになり変化に富んでいて面白いです。

 さてB面は、B-1「One More For The Road」、イントロから美しい!
ジョンのアルペジオにジョニーのフルート、そしてピアノ、ストリングスという具合に、
イントロだけでも小品としての価値あり。間奏のヴァイオリン・ソロもリリカル!
本作にはグレッグ・ブロックという人のヴァイオリンがフィーチャーされてます。
そしてB-2「Busy On The Line」ではビリーコブハムの速射砲のようなドラミングと、
間奏のヴァイオリン・ソロがスリリング!これだけリズミカルな作品はM-Aには珍しいかも。
ラストの「Everybody Needs A Friend」のみ、ジム・ゴードンがドラムを叩いてますが、
このようなしっとりした歌伴はさすが上手いです。とにかくジム・ゴードンは盛り上げ方が上手い。
間奏のジョニーのサックス・ソロも曲を盛り上げてます。エンディングのソロも同様。
やはりジョンのようにささやく様に唄うタイプにはジョニーのソロが合うのでしょう。

 本作での新しい試みは、ビリー・コブハムの力強いドラムを加えたこと、
そしてヴァイオリンをフィーチャーしたことで、リズムやメロディにもメリハリが生じ、
スリリングな展開になったことではないでしょうか。