4枚目の作品で絶頂期のものです。
ジョン・レンボーンとバート・ヤンシュという二人のギタリストを擁しますが、
彼らはペンタングル結成以前からソロ活動や二人での活動を通じ息のあったギタリスト達です。
ジミー・ペイジやロリー・ギャラガー、ドノヴァンなどバートのファンが多いため、
一般的には何かとバートのほうが話題に乗るようですが、
実質的なリード・ギターはジョンが担当する場合が多く、
プレイ・スタイルもアタックの強いジョンに対し、
色んなスタイル(トラッド、ジャズ、ブルーズ、古典音楽など)をこなすジョンのほうが
自分は好きですが。
もう一つの魅力はジャッキー・マクシーのヴォーカルでしょう。
透き通るような声と素直な唄い方はフェアポートのサンディ・デニーとはまた違った魅力です。
B面すべてを使って収録された「Jack Orion」、悲しいフィドラーの物語を唄った力作で、
本作ではかなりトラッドに回帰している様子がうかがえます。
それに反し、ジョンはソロ・アルバムではエレギを多用してますが、
本作でもジョンのエレギがフィーチャーされてます。
ただ従来のペンタングルの作品のようなスリリングなギター・バトルはなく、
ジョンとバートが互いにうまく棲み分けているような気がします。
その分、ジャッキーのヴォーカルを前面に出し、原曲の伝承歌をよりトラッドっぽく演奏してます。