リスがきょとんとこちらを見ている、その表紙の絵が可愛くて。「このほん、よんでくださらない?」という帯のセリフも可愛くて。
主人公のリスのエメラルドは、一緒に住んでいるウサギのガーネットが、夜、急に仕事で呼び出され、ひとりになって眠れない。といってもひとりが怖いわけではなくて、いつも読んでいる本を読んでもらえないから、眠くならない、ということで。
それで、近所で起きている人を訪ねては本を読んでもらうというお話。
夜の描写がとてもきれい。青い闇、月の光、部屋のあかり。そのなかを、小さなリスのエメラルドがちょこちょこと動いている。そのかわいらしさだけで、手元に置いて愛でたくなります。
正直、息子はそんなに食いつかなくて、どちらかというと、母がくいついた絵本です。
個人的には、エメラルドとガーネットの関係がちょっと気になりました。親子ではないけれど、とても親しいので、兄と妹という感じでしょうか。でも、ウサギとリスなので、なんだろう、友だち? 恋人?
ガーネットが出かけてしまうことをすごく悲しんだり怒ったりすることもなく、じっと帰りを待つわけでもなく、絵本を読んでもらおうと近所の誰かを頼るエメラルド。本当はガーネットと一緒に読んで寝るのがベストだけど、お互い自立しているところが素敵な関係です。
作者のそのだえりさん。これまでに何冊か絵本を出しているけれど、フランスで出版されていたり、ペーパーバックの小さな本だったりで、本格的なデビュー作としてはこれが初めてと言えるのではないでしょうか。
ちなみにフランスで出版された絵本「SERVICE DE NUIT」も夜を扱った話。闇と光の境界がおぼろげで、静かで美しい絵本です。
ペーパーバックの本「こわくないもん」も夜がテーマですが、おばけが怖くてトイレに行けない女の子とぬいぐるみたちのお話。息子が大好きで、3~4歳のころよくせがまれて読み聞かせました。怖いおばけですが、廊下から部屋には入ってこないから、その安全地帯がある感じが怖がりの息子的にも楽しめたのかなと思います。
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