張緑水への純愛!齊安大君役の俳優、ジョン・ジヌンさんインタビュー | 韓国貞洞劇場公式ブログ

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こんにちは、貞洞劇場です。

今回は<宮:張緑水ストーリー>の中で齊安大君役の俳優、ジョン・ジヌンさんのインタビューです。

本格的なインタビューの前に、役について簡単に説明します。<宮:張緑水ストーリー>で齊安大君は張緑水を愛する男性、つまり燕山君の恋のライバルとして登場します。もちろん、歴史的には三人は三角関係ではありません。齊安大君と張緑水の関係は芸術的な想像力で創作した関係にすぎません。詳しい内容は以前アップしたブログも参考にしてください。(→<宮(きゅう):張緑水(チャンノクス)ストーリー>人物探求①[斉安大君編]

ー自己紹介をお願いします

 

「こんにちは、貞洞劇場の団員、ジョン・ジヌンです。<宮:張緑水ストーリー>では齊安大君役で出演しています。2012年から貞洞劇場の作品に出演していて、今まで<裵裨将伝>の 使道役、<ガオン>では主人公のガオン、<蓮もう一度咲く花>でも主人公を演じました。」

 

ー齊安大君についての解釈や役作りの方法は?

 

「齊安大君は歴史的には王の嫡子ですが王になれなかった悲運の王子です。しかし、<宮:張緑水ストーリー>の中で齊安大君は異なる解釈がされています。愛する女性がいて、その愛する女性に自分の才能を注ぎ込み、彼女を最高の芸術家として育て上げます。しかし、愛する女性が自分を離れ権力に向かって突き進む様子を、せつなく見つめる役ですよね。前作の<蓮、もう一度咲く花>でも、愛する女性のために死ぬ役でした。今回の<宮:張緑水ストーリー>では反対の状況ではありますが、前作の時の感情も役作りの参考にしました。」

 

ー初演から齊安大君を演じていますが、今年公演で変わった点は?

 

「今年の公演では新たに追加されたり変更された場面があります。例えば、去年のバージョンでは齊安大君が張緑水に文字を教えましたが、今年のバージョンでは詩を教えます。その場面で恋に落ちるのですが、齊安大君と張緑水の感情の変化が、より繊細に描かれています。また、公演の後半では齊安大君が張緑水に悪い知らせを伝えに行く場面があります。その場面は去年のバージョンでは少しだけでしたが、今年は比重を置いて描かれています。悲劇に向かう張緑水の最後に対する象徴性も優れていると思います。」

ー劇中で最も苦労した場面があるとしたら?

 

「齊安大君は踊りより感情演技が中心です。踊る場面が少ないため、むしろ踊りの動作一つ一つを集中するようになります。 齊安大君が、自分を去った張緑水を忘れるために一人で剣舞をする場面があります。愛する女性に捨てられた男の悲しみ、恨み、切なさなどを表現するため、たくさん悩み練習しました。そのため右手首に少し力が入ります。刀が重いんですよ。個人的に一番好きな場面なので最善を尽くしています。」

 

ー難しかった場面は?

 

「芸妓になった緑水が太鼓踊りを習うとき、 齊安大君と太鼓の先生が、お互いに相手をする場面があります。

謹厳だった 齊安大君が愉快に舞うのですが、その姿が妓女に見つかります。齊安大君のちょっと抜けたところをみせるコミカルなシーンですね。しかし、率直に言って、私が一番下手で苦手な演技がコミカルな演技なんです。数百回も公演をしましたが、今でも一番難しく大変ですね。 (笑)」

―劇中でやってみたい役や挑戦してみたい踊りがあるとしたら?

 

「飴遊びの場面が好きです。飴割りという道具自体が馴染みの薄いのに、公演の中にとてもうまく活用しています。面白くて楽しい場面ですが、俳優たちには難しくて危ない場面でもあります。一歩間違えれば負傷の危険もあるからです。飴の場面のを作り上げるために、俳優たちは本当にがんばりました。」

 

ー俳優たちのチームワークはどうですか?

「1年半の間、一緒に舞台に立っているので、すべての俳優たちと仲良くなりました。リハーサルを通じて、皆で意見を交換しながら完成させていきました。張緑水役のジョ・ハヌルさんとは<春香恋歌>からはじまり<裵裨将伝>、<蓮、もう一度咲く花>、<宮:張緑水ストーリー>まで7~8年間ずっと同じ作品で相手役として出演しています。そのため舞台での息もぴったりです。ハヌルさんは舞台上での素質溢れる才能のある人です。そのうえ、練習量も人一倍です。燕山君役のイ・ヒョクさんとも同じ舞台によく立ちました。<春香恋歌>、<裵裨将伝>、<蓮、もう一度咲く花>などで、同じ役にダブルキャストになったり、相手の役になったりもしました。3人はよく同じ作品をやるので、チームワークはとても良いです。」

ー舞台以外での姿も気になります。個人としてのジョン・ジヌンさんは何が好きでどんな日常を過ごしていますか?

 

「平凡ですよ。ゲームが好きで、バスケやサッカーも楽しみます。でも現実は娘バカな父親です。娘が2歳なのですが本当にかわいくて、愛らしいです。なので、私が個人的に好きなことは一時的にやめています。今は娘と妻と一緒に過ごす時間が最優先です。ほかにも舞踊家として個人活動もしています。劇場に許可を得て、先輩後輩たちと一緒に公演をします。12月には脱北者青少年のための慈善事業公演にも参加します。」

 

ー舞踊家になったきっかけは?

 

「舞踊をはじめたのは遅いです。高校2年生まではコンピューターグラフィックを専攻していて、広告デザイナーになろうとしていました。しかし、突然その道が嫌になったんです。父に舞踊を習いたいといいました。最初はスポーツダンスをしようとしました。かっこよく見えたので。でもスポーツダンスをやってみると全然思うようにいかなくて。現代舞踊も少し習ってみましたが、最終的に私の道は韓国舞踊でした。韓国舞踊特有のなめらかな踊りと洗練された動作が魅力的でした。遅く始めたので、練習だけが答えなので、練習室に暮らすように練習に打ち込みました。大学を卒業してからは韓国舞踊の創作公演で主に活動して、2012年に貞洞劇場に入団することになりました。」

 

ー舞踊家を夢見る後輩にアドバイスをお願いします。

 

「舞踊を専攻している学生たち、そして後輩たちをみると、本当に技量が優れています。身体条件も良いです。舞踊家として私はまだ学ばなければならないことも多く、踊りについてあれこれ言うのは難しいです。それでも言いたいことがあるとすれば、結局は一番重要なことは気持ちということです。陳腐に聞こえるかもしれませんが、どんな気持ちで臨むのかが、とても重要です。舞踊家として生きることは簡単ではない選択です。現実的に経済的問題が一番大きな障害になります。そのため、気持ちが大切なのです。舞踊という一つの井戸を根気よく掘ってみること、最後まであきらめない心、それがすべての始まりであり、終わりだと思います。」

ー最後に<宮:張緑水ストーリー>のお客さんに一言お願いします。

 

「今年の<宮:張緑水ストーリー>もいつの間にか2/3が過ぎました。12月28日の最後の公演まで最高の感動とおもしろさをお伝えできるように、素晴らしい技量をもった俳優たちが舞台上で最善を尽くしますので、みなさん見に来てくださいね」

 

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<宮:張緑水ストーリー>
火曜日~土曜日 16:00
会場:貞洞劇場