<宮:張緑水ストーリー>の中の韓国のノリ(遊戯)文化 | 韓国貞洞劇場公式ブログ

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こんにちは、貞洞劇場ですニコニコ

貞洞劇場は韓国を代表する伝統文化芸術劇場です。

韓国の伝統文化芸術を現代的に再解析し、水準の高いショーを上演しています。特に貞洞劇場の常設公演の<宮:張緑水ストーリー>は奴隷、芸妓、後宮とドラマチックな人生を生きた張緑水のストーリーを、伝統舞踊と演戯によって魅せる 創作舞踊劇です。<宮:張緑水ストーリー>では様々な伝統ノリ(遊戯)がにぎやかに繰り広げられます。

 

踏橋ノリ(遊戯)

(답교놀이)

 ショーが始まると、女性の灯籠舞とともに「踏橋ノリ(遊戯)」が披露されます。 踏橋ノリは小正月の夜、橋を踏む民俗ノリ(遊戯)です。 全国各地で行われていましたが、この日に橋(韓国語でタリ)を踏めば1年間は脚(韓国語でタリ)が病気にならず、12個の橋を踏めば12か月分の邪気を払うことができるという意味が込められています。 橋(タリ)という発音が同じで漢字で「踏橋ノリ」とも言われ、江陵地方では「橋抜き」とも言われます。

踏橋ノリは高麗時代から始まった遊戯といわれています。 民俗芸能の集団が農楽を演奏したり、チャングを叩いたり、踊ったりして楽しんでいましたが、人々は民族楽器に呼応して一緒に楽しんだそうです。遊び方は地方ごとに少しずつ違なり、ソウルでは橋を全て渡って、十二の橋を渡ったりしました。橋三つを渡る地方もあれば、ある地方では一番長い橋や、最も古い橋を自分の年の数で往復するところもあったそうです。 ほかにも、橋を渡っている間、松明を持ち歩きながら、消えなければ幸運が訪れると信じる地方もありました。

そして江陵での橋踏みは少し独特でした。橋の上で青年たちが激戦を繰り広げたといいます。というのは、橋を挟んで隣村と対峙して、このとき力の強い人を前に出し、互いに相手を押したり引いたりして橋を奪ったそうです。この過程で相手を橋の下に落としたりもしました。それで「橋抜き」と呼ばれました。 しかしあまりにも危険なノリ(遊戯)なので今は伝わっていないそうです。

 

2.「 ボナ回し」と 「お手玉投げ」

(버나 돌리기와 콩주머니 던지기)

踏橋ノリが終わると、民俗楽器演奏の俳優たちが観客2人を舞台に招き、一緒にノリ(遊戯)を楽しみます。「ボナ 回し」と 「お手玉投げ」です。

ボナ回しは男寺党ノリの6つの演目のうちのひとつです。先のとがった40Cmくらいの棒を利用しての両側に布を当て、中央に皮を丸く切り取って貼り付けるて作った「ボナ」と呼ばれる皿を回すノリ(遊戯)です。

ボナを回す時に使う棒は、桜桃の木を削って作ったもの、キセル、槍刀、たこを揚げる時の棒など様々です。ボナを回す人をボナ役といいます。ボナを回す時は、その動作によって投げ動作、たたく動作、足の振り、虹の動作など15種類の動作があります。

<宮:張緑水ストーリー>の中で俳優が見せるボナ回しは、投げ動作、たたく動作、橋の動作などです。投げる動作はボナを回しながらボナを高く投げては受け取り、回す動作です。たたく動作はボナを回しながら 棒のようなもので回っているボナ叩きながら回す動作、足の動作はボナを回っている途中で、足で上げてその間にボナ通過させ、回し続ける動作です。

お手玉投げは懐かしい遊びです。<宮:張緑水ストーリー>では舞台に呼ばれた2人の観客が、それぞれのざるにお手玉を投げ、どちらがたくさん入れたかを競います。「お手玉と言えば、小学校のとき、運動会での玉入れを思い出すかもしれません。 韓国では「お手玉遊び(오자미 놀이)」とも言われます。一般的にお手玉遊びは、チームに分けてお手玉を投げ、相手に当てたり、もう一方はお手玉をよけながら走り遊びます。このお手玉遊びは日本から伝わった文化です。日本の植民地時代の運動会などで韓国に伝わり、今でも小学校の運動会や体育大会などで実施されています。

 

3.ジョンオビノリ

(정업이 놀이)

宮中にに入った緑水は「淑容張氏」となり、燕山君の庇護を受け次第に権力に就いていきます。燕山君の暴政が強まると、朝廷は破綻し、民衆の不満も積もっていきました。混乱する民心の中で、民衆はついに燕山君と張緑水を嘲弄し始めます。この時に登場するノリ(遊戯)がこのに「ジョンオビノリ」です。 精業とは、わらで作ったかかしの人形です。<宮:張緑水ストーリー>の中のジョンオビノリは、京畿道堂グッのうち、ジョンオビを燃やす儀式を伝統的なノリ(遊戯)形式として再解釈したものです。

重要無形文化財第98号に指定された京畿道党グッは、水原、仁川と漢江以北の地域で守護神のためにおこなう村のグッ(儀式)です。「正月と10月に村の安寧と家内安全を祈願」して、村人皆が参加する一種の村の祭りで、地域によってさまざまな名称がありました。 道堂グッは、故事を構える唐州グッ(唐州グッ)をはじめ、藁で作ったカカシのジョンオビを外で火で燃やしながら終わります。 厄除けの目的で行われるのですが、全国的に類似した形のノリがたくさんあります。

 朝鮮純祖時代に 韓国伝統行事についてをまとめられた『東国歳時記』には「正月、小正月の子供たちがジェウン(わらで作った人形)を作って道に捨てる。藁で人形を作り、頭の中に貨幣を入れ、小正月の前日の14日夜、夕方に道に捨て厄をふせぐ。明け方に鐘閣の四つの通りの土を掘って、家の四隅に撒いたり、かまどに塗ったりした。これは財産が集まることを祈願している。子供たちが「家口某生身厄消滅 」という文字を凧の裏に書いて、その凧を揚げて、日が暮れる頃にそのたこの糸を切ってしまう」と書かれています。

 

4.サムルノリ

(사물놀이)

ショーが終わりカーテンコールの時間<宮:張緑水ストーリー>の舞台ではサムルノリがはじまります。サムルノリはケンガリ、ジン、チャング、太鼓など4つの農楽器で演奏される伝統音楽です。4つの楽器は互いにリズムを受け合いながら盛り上げます。

サムルノリは時折、風物ノリと混同しれますが、ふたつは大きく異なります。一番大きな違いは楽器の数です。風物ノリにはサムルノリに使われる四つの楽器のほかに、小鼓、太平簫などが加わります。ここに踊りや劇、ノリ(遊戯)の意識が合わさった総合ノリ(遊戯)が風物ノリになります。そして、サムルノリは4人で、室内で演奏を行ないますが、風物ノリは、室外で数名が一緒に演奏します。また、サムルノリは1978年、世界で初めて「サムルノリ」という名前で創設された演奏団によって本格的に始まりました。

 

<宮:張緑水ストーリー>では韓国の伝統の中の様々なノリ(遊戯)を取り入れています。このチュソク前後に家族で<宮:張緑水ストーリー>を観覧して韓国の伝統文化芸術の美しさと価値を感じてみてはいかがでしょうか。ショーのはじめから終わりまで、場面ごとに韓国の踊りやリズム、文化や遊びを、時に楽しく、時に優雅に感じることができます。