こんにちは、チョンドン劇場です。
今日はチョンドン劇場の常設公演<宮:チャン・ノクス展>の主人公、チャン・ノクス役のジョ・ハヌルさんに会いました。 彼女が演技するチャン・ノクスは、これまで私たちに馴染み深い悪女、妖婦ではありません。 芸人、すなわち芸術的才能の優れたアーティスト チャン・ノクスです。 彼女自身が舞踊を専攻した人なので‘芸人’チャン・ノクスに対して、さらに共感できたという女優ジョ・ハヌル 。 新しいチャン・ノクスについて慎重に説明する彼女の顔が愛らしく感じられました。
Q. チャン・ノクスを演技するといった時、周囲の反応は?
大衆に認識されたチャン・ノクスは悪女のイメージが強いでしょう。 キャスティングされた時、本当にうれしくて、同時に恐かったです。 私がチャン・ノクスを? という思いになりましたよ。 でも、多くの方々が公演を見た後に、愛らしくて芸術的才能と万能のチャン・ノクスに会ったと言ってくれます。 特にチャン・ノクスの愛らしい面が私と非常に似ていたと言われます。 (笑い)
Q. キャラクターはどのように近づいたんですか?
映画やドラマの中に出てきたチャン・ノクスをまず調べてみました。 <奸臣>という映画もみました。 しかし< 宮:チャン・ノクス伝 >でのチャン・ノクスは少し違います。 芸人チャン・ノクスの喜怒哀楽に、さらにフォーカスが合わされます。 それで悪女という既存の認識をどのように解かなければならないか悩みました。 その過程で、オ・ギョンテク演出家、チョン・へジン振付け師がいろいろと助けてくださいました。 技芸が優れた女性、さまざまな魅力を持っている愛らしい女性として、チャン・ノクスを作ってくれたのでしょう。 心理的でディテールな部分についても、いろいろと説明してくれましたし、そのおかげでキャラクターに没入できました。
Q. 奴婢、妓女、後宮など身分が変わるたびにノクスの踊りが変わります。 それぞれの踊りの特徴は?
初めからチャン・ノクスのキャラクターをしっかり固定しなければなりませんでした。 芸人としてチャン・ノクスが観客に愛されて、共感できるキャラクターにならなければならなかったためです。 奴婢だった時のチャン・ノクスは自由奔放で才気溌剌です。 ノクスが市場でさつまいもやとうもろこしを盗んだ後、バカ踊りやアイドルのダンスを踊る場面があります。 ジプシー女性のように自由奔放な魅力溢れるノクスを表現しようと思いました。 妓女になって技芸を磨きあげる時は、しっかりしていながらも愛らしいチャン・ノクスを表現しようと思いました。 例えば妓女になったチャン・ノクスを両班たちが酒を注げといって戯れる場面が出てきます。 '私が君たちに酒を注ぐのなら、いっそ犬に注いでやるわ。お前たちは犬にさえなれなくて'といって両班の圧迫にも屈しないしっかりした姿を見せます。 王の女になった時は、後宮としての気品と権力を持った者としてのカリスマを堂々と見せようと思いました。 臣下らと権力争いする場面では、ふらっとしてまた危なかっしく表現されます。
Q. 劇の中で特に好きな踊りは?
ノクスが臣下らと対立する場面で踊る太鼓踊りがあります。 八鼓舞だといって8人の舞踊家が各自太鼓を持って動き続けて踊る群舞です。 特に女優たちの間の呼吸が大変重要なシーンだとすると、他の踊りに比べて練習量が本当に多かったです。 また動いて太鼓を叩いて見ると、バチで手を打ってケガしたことも何度かありました。 体力的にも大変なエネルギーが求められるところに感情演技までしなければならなかったため、この場面が作品のハイライトだと思います。 ノクスのカリスマが嵐のように吹き荒れる場面なんですが、大変だけどそれだけ喜びを感じました。 この他にも< 宮:チャン・ノクス伝 >には美しい踊りがとても多いです。 観客が 佳人剪牧丹 踊りもとても好きなようです。 宮中舞踊でぱっと開いた牡丹の花瓶を中心に踊る華麗で美しい踊りです。
Q. 格別に苦心して努力した部分があるならば?
杖鼓舞のシーンがあります。 杖鼓舞は装具踊りともいわれますが、家興清に入ったノクスが杖鼓舞で妓生の授業を受ける場面です。 杖鼓はこれまで私が一度も習ったことがなかった分野だっただけに、本当に何度も何度も繰り返し練習が必要でした。 ノクスだったら杖鼓踊りをするのにちょっとした間もあってはいけないでしょう。 チャン・ノクスらしく表現するために毎日のように残って杖鼓踊りを練習して研究しました。
Q. 芸人、女性としてチャン・ノクスをどう思いますか?
奴婢出身で妓生になって、また、王の女になる人生がとてもドラマチックだと思います。 特に王の心を虜にした研究心と芸術的才能が本当にすごいと思います。 また、そのときの状況に満足しないで能動的に自分の人生をつかみ取っていく女性という点がすばらしいです。
Q. < 宮:チャン・ノクス伝 >を通して会う韓国の踊り、韓国の音調、韓国のリズムの魅力は?
踊りには人生の香りが染み出るといいます。 また非常に楽しい音調とリズムは押し合いして結んで解く力学的な原理の中で興と霊的な力を呼び起こします。 また早さと遅さが交わるということが、まるで人生に似たようにつかんだり解いたりする味が魅力ではないだろうかと思います。
Q. 女優として最も重要だと考えるのは?
舞台に立った女優は魂と情熱がなければなりません。 役割の割合を離れて、その瞬間、私が舞台の主人公という自信もなくてはなりません。 それではじめて観客の心をとらえて観客を魅了させることができます。
Q. 初演の時と違った点があるならば?
今年公演はおもしろみの要素が加味されて、観客とさらに積極的に疎通します。 たとえば飴ハサミのシーンとオンヘヤを歌って踊る場面なんですが、とっても楽しいです。 公演をみてぜひ確認してみてください。 (笑)
Q. 最後に一言
昨年初演の時はどうにかなんとしてでもやり遂げなければという思いが強かったです。 でも今年はチャン・ノクスというキャラクターにさらに深くハマっています。 ‘本当にノクスだったらどうだったのだろうか?’そのように考えるとずいぶんキャラクターが楽になりました。 私自身、舞踊を専攻しましたが、また、芸能人の道を歩いているのでチャン・ノクスの芸術的能力と才能を本当にうまく表現して成功したいです。
チャン・ノクスの芸術家的人生、その喜怒哀楽を全てお見せしたいという女優ジョ・ハヌル 。 彼女にチャン・ノクスは愛するしかない芸術の匠です。 彼女が繊細に演技するチャン・ノクスの魅力に会うことができる< 宮:チャン・ノクス伝 >、ぜひ見にきてください!