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先日サッカーの日韓戦を観に行って来ました。

結果はご存知の通り日本の完敗ですが、それ以上に残念だったのは先の見通しが暗いことです。

批判めいた言いまわしになりますが、今回の日韓戦に負けたからではなく、就任当初より現監督では良い戦績は望めないだろう、と見ていました。

その理由は3つあります。
1つ目はビジョンが全く明確ではないこと。2つ目はチームづくりの戦略が明確ではない、または稚拙であること。
3つ目は監督としての知見、経験不足です。

「ワールドカップでベスト4に入ること」というのは、目標として掲げる分には良いですが、これは企業に例えれば「5年後に売上100億円にするぞ!」と宣言しているに過ぎません。

ビジョンとはどのようなチームになっているのか、その将来像を示すことです。
そのような意味ではいくら試合を重ねてもサポーターにとってはどういうチームになるかが見えないのではないでしょうか。

また、2つ目の戦略とは、掲げたビジョンを具体的にどのような方法で実現するのか、ということです。

ですが、ビジョンがフラついているので、必然的に戦略もぶれます。

この時期に及んで、平山や石川など新顔を召集し、中途半端な使い方をしているのが最も気になります。
例えば、それまでにも例えば巻の様な長身のフォワードを起用していて、他にもその「役割」を担える選手をおさえておく、という意味で平山を起用している分には良いのですが、これまでの戦い方を見ていると、平山に関しては少なくともそのような意図でないことは明白です。

最後の、監督自身の知見、経験不足については言を待たないでしょう。
世界のサッカーを知らない、またはそこで戦って勝つ術を知らない監督が如何にしてベスト4に至る道筋を具体的に描けるのでしょうか。

別にワールドカップでベスト4に入った経験の有無を言っている訳ではありません。

少なくとも、最も先端のレベルで争われているヨーロッパのリーグや大会を経験しており、各国がどの様な戦術を用いるのか、その際キーマンとなる選手は誰で、それら全てを把握した上で日本としてどう戦えば相手国の長所を消し去り、日本の特徴を活かした戦い方が出来るのか、という事が具体的に組み立てられる監督が必要だという意味です。

その様な意味では、前監督のオシム氏は上記の要件を満たしていましたし、サッカー協会もそのつもりだったのでしょう。
また、その途上で病に倒れたオシム氏の後を急遽継いでここまで代表を率いて来た岡田監督には感謝しなければならないと思います。

とはいえこれはプロの世界。
結果が出せないのであれば、リーダーが責任をとって辞める(替る)のが適切な対応と言えるのではないでしょうか。

また、未だ日本はサッカー後進国であるという事も忘れてはいけません。
後進国は後進国なりに、中長期でのレベルアップを見据えたやり方をしないと先進国には追い付けません。

記憶に新しい2002年日韓ワールドカップでベスト4に入った韓国は、世界のサッカーを知り尽くしたオランダ人のヒディンク監督を代表監督として招き、大会前数ヶ月間、国内リーグをストップして代表選手を集め、集中的な合宿でチームのレベルアップを図りました。

そうした、超トップダウンで代表チームの強化を図ったからこその結果だという事です。

では今日本代表に求められる事は何でしょうか?

これは完全に私個人の意見ですが、もう4年後の大会を見据えて動くべきではないでしょうか。
今のまま、はっきり言って間に合わせで今度のワールドカップを戦うよりも、今回の大会も次の大会への試金石と位置付けて監督の交替を行うべきだと思います。

また、トルシエ監督時代に行った様に、新監督にはU-18、オリンピックなど若い世代も観てもらい、4年後のベスト4に向けて"具体的に"プラン作りを行う、というのはどうでしょうか。

長期政権はリスクも伴いますが、少なくとも今の日本にとっては更なる飛躍を遂げる上で近道になると思うのですが…

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